表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンデレゲーの主人公は普通の恋を望む。(完結)  作者: ちはやれいめい
一年生 春編 運命に翻弄される春
49/133

49 恋のライバルさんがケンカを売りに来ました。

 イワンはどこかの当主様という方に呼ばれて、しばらく離席しています。

 お目付け役として小鳥ちゃん(白いからしーちゃんと呼びましょう)を残していってくれました。

 ウィルフレドさんもあいさつ回りがあるということでいません。


 ミーナ様とふたり、立食スペースでフルーツやデザートをもらってお話します。しーちゃんがはちみつのプリンをじっと見ているようなので、はちみつ部分だけスプーンに取ってあげたら喜んでついばんでます。


「今日はサポートできるよう、そばにいるわね。危険なようなら必ず助けるわ」

「ありがとうございます、ミーナ様」


 ミーナ様の日記より。

 この舞踏会は幸か不幸かのターニング・ポイント。

 イワンと未来を歩みたいと望むなら、戦わないといけません。



 私たちのもとに銀髪の令嬢が近づいて来ました。

 つりあがった眉とまなじりから、気の強さを感じます。


「あなたがアラセリス?」

「そうです。失礼ですが、どちら様でしょうか」


 丁寧にお辞儀したのに鼻で笑われました。


「社交界でワタクシを知らないなんて、不勉強が過ぎますわよ」

「あいにく今日初めて来たものですから。初対面のかたの名前を予知するような魔法は習ってないので、名乗っていただかないと、名無しさんとお呼びするしかないです」


 ミーナ様が笑い、口をファーの扇で隠しながら教えてくださいます。


「セリスさん。こちらはベルナデッタ。魔法学院の二年生です」

「ベルナデッタ様ですか」


 ベルナデッタ様は眉を歪めて、髪をかきあげます。 

 

「あなた、庶民のくせにイワン・ラウレールと婚約したそうね」

「はい。先日婚約指輪をいただきまして、お父様にも挨拶しました」


 ベルナデッタ様の眉間のシワが増えました。


「彼の祖父が誰なのか知りませんの? 敵国だった国の汚らわしい魔族よ。普通の神経なら求婚されても拒否しますわ」


 この方はさっきから何を言いたいのでしょう。


「それを知った上で婚約しました。私が庶民であることも、イワンの出自も、他人の貴女様に関係ないでしょう」

「庶民ごときがワタクシに意見するなんて!」


 ベルナデッタ様は扇をへし折って投げ捨てました。


「宰相の息子なら価値はありますわ。ワタクシがイワンと結婚してあげるのです。貴女は身を引きなさい」

「魔族が嫌いなのにイワンと結婚するんですか」

「養子を取れば白い結婚で済みます。顔はいいから、ワタクシに並ばせても見栄えしますし」


 尖った性格の方ですねぇ。お友達になれそうもありません。

 あ、このフルーツ初めて食べたけど酸っぱくて美味しいですね。おかわりしましょう。


「ちょっと! ワタクシが話しているのに、なぜパイナップルなんて食べてるんですの!」

「美味しいからつい」


 私の隣では、ミーナ様が肩を震わせています。

 

「ケンカを売られているのに、よくかわせるわね」

「あ、これはケンカの販売でしたか。買取不可なのでお引き取り願います。今のうちにジュースも飲んでおきたいので失礼しますね」

「ワタクシを馬鹿にしているんですの!?」


 ベルナデッタ様が掴みかかって来そうなところを手で制します。


「バカにしてません。ベルナデッタ様は養子をもらえば白い結婚で済むとおっしゃってましたが、イワンの子なら男の子でも女の子でも絶対可愛いですよ。私なら二人は産みます」

「はぁああ!? 貴女みたいに話が通じない相手とこれ以上付き合ってられませんわ!」


 ベルナデッタ様、きいいいってハンカチを噛んで出ていってしまいました。

 私に用があるんじゃなかったですか。


「アタシが助ける必要がなかったようで何よりよ」

「え、もしかしてこれで終わりですか」


 ミーナ様はひとしきり笑ったあと、私に向き直ります。


「セリスさんったら、公の場でずいぶん大胆なことを言うのね。イワンとの子を二人産むの?」

「足りなかったですか?」


 ミーナ様は私ではなく私の肩に向かって話します。


「子どもが二人で足りないかどうか、本人同士で話しなさい」

「はい?」

「忘れているようだけど、今の会話はぜーんぶイワンに筒抜けよ」

「あ」


 そうです。ここの視界も声も、しーちゃんを通してイワンに伝わります。

 全部聞かれてたと思うと一気に恥ずかしくなりました。


「ど、どど、どうしましょうミーナ様。私、逃げたほうがいいですか?」

その子(使い魔)がいる限り、どこに行っても同じだから諦めなさいな」


 穴があったら入りたいです。

 しばらくどこかに隠れようと思ったけれど、すぐイワンに捕まりました。

  


挿絵(By みてみん)

明日も19:00ころ更新です。

次回。春編最終話

50 イワンと二度目のワルツ。

です。

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[良い点] ベルナデッタ様との言い合い……だけど、これはどう見てもノロケにしか聞こえない!(笑)
[一言] ベルナデッタ……なんちゅうキャラよ(;'∀') いや、愛の無い結婚をする貴族としては彼女のようなのが普通かもしれませんけど……相手には失礼だな(;'∀') というか上から目線ってのが気に食わ…
[良い点] ベルナデッタ、強烈なキャラですね。 魔族は嫌い、でもイワンの顔は良いし、宰相の息子だから結婚する価値がある。 はぁ。価値ですかぁ…。 すごい上からというか、すごいなぁ しかも、養子であれば…
2022/07/31 19:39 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ