表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンデレゲーの主人公は普通の恋を望む。(完結)  作者: ちはやれいめい
一年生 春編 運命に翻弄される春
13/133

13 校内オリエンテーションです!③

 私達から遅れること数分、二位の班が到着しました。ミーナ様からの労いの言葉をもらって嬉しそう。


 かなりお疲れだったのか、イワン様は私を枕にしたまま眠ってしまいました。

 続々とオリエンテーションに出ていた班が帰ってきます。


 少しして手が空いたのか、セシリオ様が私たちのところに来ました。


「イワンのやつ、やっぱり保たなかったか」

「セシリオ様。イワン様の具合が良くないこと、ご存知だったのですか?」

「まあね。病気とは違うから大丈夫だと、本人が言い張るから。わたしが何度休めと言っても聞かないのに、セリスくんの言うことは聞くなんて。この強情っぱりをどう言いくるめたんだい? 今後の参考までに教えてくれないか」


 言いくるめるとはまた、たいそう失礼な表現です。引っかかるものの、さっき言ったことを説明します。


「『私は疲れていて休みたいのに、先輩が立ったままだから休めないです』と伝えたところ、休みたければ枕になるように言われまして」

「ぷっ、はははは。君は面白いね。そうか、イワンはひねくれているから逆手にとればいいわけだな。勉強になったよ」


 セシリオ様、とっても楽しげです。

 私の隣に腰を下ろしてイワン様の顔を覗き込みます。


「元気になってほしいと思うなら、イワンの手を握っているといい。午前中の授業で教えた、魔力を流すようなイメージでね。イワンが体調を崩したときは、だいたいそれで回復する」

「魔力を渡すと、回復するんです?」

「詳しい理由はイワン本人が言わない限り教えられないけれど、応急処置にはなる」


 イワン様と旧知のセシリオ様が言うのだから、本当でしょう。言われるまま、イワン様の手を両手で包みます。


 どうか元気になってください。

 イワン様の体調が良くなりますように。


 そう願って魔力を手のひらに集めると、午前中の授業のときとは違うことが起こりました。


 淡い緑の光が集まり、イワン様に降り注ぎました。

 見る間にイワン様の顔色が良くなっていく。


治癒魔法キュア!? まさか、魔法士団員ならともかく、訓練したことのない一年生が使えるなんて」


 セシリオ様が声をあげました。


「治癒魔法、というのですか? 今のは?」

「自覚がないのかい」


 イワン様の瞳が開きました。

 体を起こして目を見張り、自分の体を見下ろして、私を見る。普段の、憎まれ口を叩くときの意地悪な先輩のものです。


 良かった、元気になって。


 視界が明滅して、頭が痛い。

 私はひどいめまいを覚えて……意識が途切れました。

面白い、続きが気になると思ったら、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援してください!

続きを書く原動力になります!


感想、レビューもお待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[一言] うわあ! 逃げてって言いたいけど、逃げられないじゃない。ミーナ様、近くにいる?
[一言] せ、セリスちゃん!?(゜Д゜;) 魔力使い過ぎちゃったかな!?!?(゜Д゜;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ