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第2話 日常

 梨央奈(りおな)の日常は、都内の8畳の部屋から始まる。

 築年数10年のアパートの2階、間取りは1K、お風呂トイレ別、キッチンと8畳の洋室の間にはドアが1つある。


 8畳の洋室には、本棚とテレビ、テーブル、ベッドがあるシンプルな部屋だ。

 大きめのクローゼットと窓が一箇所ついている。


 最近、その部屋に大きな変化があった。

 イメージカラーに使っていた赤色を取り払い、緑色へと変えた。

 部屋の隅には、ゴミ出しを待つように赤い物がたくさん入ったゴミ袋が置かれていた。


(捨てなきゃな。ゴミ)


 ベッドで横になったまま、視界に入ったゴミ袋を見て梨央奈は思った。


 朝5時にベッドの布団で目を覚まし、ベッドから出て身支度を整える。


 テレビを付けて、朝の日課のニュースを見る。

 簡単に作った目玉焼きの乗ったパン、サラダ、スープをテーブルへ並べて座って手を合わせる。


「いただきます!」


 目玉焼きの乗ったパンにかぶりついた。


(美味い)


 毎朝ニュースで必ずチェックするのは、天気予報と次元の歪みの発生予報だ。


 次元の歪みの発生予報は、ここ数年で定着した。

 次元の歪みが発生すると、未知の生命体が現れ人を襲う危険性がある。

 昔から考えたら漫画のような話しだ。


 次元の歪みが生じてできる入口は、通称ディメンションゲート。さらに、未知の生命体は、通称アンノウンと呼ばれている。


 日本人の日常に大きな変化が起きたのは、今から10年前。


 国が、次元の歪みと、ディメンションゲートと、そこから現れる未知の生命体(アンノウン)の存在を正式に認め、国の行政機関として専門の組織を設立した。


 専門組織は、次元の歪みとディメンションゲートの調査、発生時の対応、未知の生命体(アンノウン)の調査、国民の安全確保などを行なっている。その為に必要な際は、未知の生命体(アンノウン)との戦闘も行う。


 最初は、危険な次元の歪みとディメンションゲートの発生と未知の生命体(アンノウン)の出現、それによる被害の発生に、人々は混乱した。

 天災が一つ増えたようなものだったからだ。

 だが、国家主導のもと専門組織が組織的に対応を進め、さまざまな対策を講じ、国が法律やルールを整え、対応方法が確立され、被害が減少していくと混乱は収まっていった。

 次第に、次元の歪みとディメンションゲートの発生と未知の生命体(アンノウン)の存在は、日常に溶け込んでいった。


(こんなに毎日放送してるのに、私、ディメンションゲートにも未知の生命体(アンノウン)にも遭遇したことがないな)


 茹でたブロッコリーを頬張りながら、梨央奈は思った。

 遭遇しなければ危機感もうすれ、存在しないも同じだ。


 時計が7時を表示するころ、朝飯を食べ終え食器を片付ける。薬を飲んで歯を磨く。


 7時半には、荷物と赤い物が詰まったゴミ袋を持って家を出て、ゴミ置き場にゴミ袋を置いた。


 徒歩と電車で会社へ向かい、9時には仕事を開始する。


 日中は会社で仕事をし、定時は18時だがほぼ残業となる。自宅への帰宅は、だいたい21時から22時だ。


 帰宅後は、簡単に夕飯を食べて片付け、薬を飲んで、歯を磨く。お風呂に入り、23時から24時には、ベッドの布団で寝る。


 土日祝日の休日以外、平日はこれが梨央奈の日常だ。

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