表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

見たことのない生き物

作者: うぃらこ

 友達と遊んだ帰りのことだ。水たまりで、見たことのない生き物を発見した。


 たくさんいるうちの一匹を、ちょんと摘まんで観察してみる。


 全体的に細長いシルエットだ。感触はちょっとやわらかい。表面には至るところに細かい毛が生えている。


 前肢まえあし後肢うしろあしが宙をかきはじめた。肢の先端はいくつも枝分かれしていて、それぞれが生きているかのように、くねくねとうごめいている。


 急に生き物が鳴きだした。キイキイ、ワオワオ、ギヤギヤ……鳴き声に合わせて顔がぐにゃぐにゃ曲がる。


 次第に、生き物の表面がじっとり湿ってきた。外敵に対する毒だろうか。目や口からも液体をにじませている。


 生意気な奴め。こらしめてやろうと思って頭部を軽くいじった。


 あっ。


 力加減を間違えて、頭部がもげてしまった。


 けいれんする胴体から、体液がとろとろ垂れてくる。それに驚いた勢いで、摘まんでいた胴体をつぶしてしまった。水がはじけたような音だった。


 生き物は、ぴくりとも動かなくなった。


 死んでしまったようだ。


 結局この生き物はなんだったのだろう。どうしても気になったので、もう一匹を捕まえて家に帰った。


 お母さんに見せると、笑顔で名前を教えてくれた。


 「それはね、ニンゲンっていうのよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] もしかして、作中の「水たまり」って海の事なのでしょうか? 視点人物(人ではないのかも知れませんが…)の途方もない大きさを考えるとゾッとしますし、人間が虫けらみたいな扱いをされているのも怖い…
[良い点] 微笑ましさからの落差。 短い文章ならではの、思わず読み返してしまう、「転」の「点」を良く押さえています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ