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ショートショート4月~

連鎖

作者: たかさば
掲載日:2020/04/22

一番初めは、体の弱い、女の子。


体が弱くて、二十歳までは生きられないといわれたよ。


食べたいものを食べさせられて、学校も休みがち。


掃除洗濯料理に掃除、全部お姉ちゃんがやってくれた。


すき放題に生きてきた。


現代医学の力があってか、25歳で結婚したよ。


一人娘が生まれたよ。


だけどその年旦那が死んで、一人実家に戻ったよ。


お姉ちゃんは結婚してもういない。


お母さんと一緒に暮らしてはいたけれど。


ある日一人娘のことを思い出した。


無理やり連れてこられた一人娘は、いきなり変わった環境で自分の言葉を失った。


自分の意見がいえない子供。


体の弱かった人は、思い通りに一人娘を動かし続ける。


学校はここへ。


就職先はここへ。


結婚相手はこの人。


一人娘は25歳で結婚したよ。


10も上のはじめて見る人。


仲の良い人がいたのに言えず、結婚したよ。


何もいえない一人娘に、一人娘が生まれたよ。


何もいえない一人娘の一人娘は、たいそうおしゃべりでね。


何もいえない一人娘の代わりに、色々とはなしてくれた。


けれど体の弱かった人は、それを許さない。


私の言うことだけ聞いていたらいい。


口を開くのはお世辞を言うときと、悪口を言うときだけで結構。


だんだん一人娘の一人娘は、言葉を失ってきたけれど、それを一人娘は許さない。


私がいえないのだからお前が言えと、一人娘の一人娘は追い込まれていく。


続く連鎖はとめられない。


続く連鎖を断ち切りたいと、願う一人娘の一人娘は、手を伸ばす。


手を伸ばした先にいる友達にも、体の弱い人の攻撃が襲い掛かって、いつの間にやら一人娘の一人娘は孤立した。


寂しい時代が過ぎて、一人社会に出た一人娘の一人娘は自分の力で旦那を見つけた。


体の弱い人の用意した、怪しい人から逃れるために、世間知らずの旦那を見つけた。


一人娘の一人娘に、一人娘が生まれたけれど、この子は自由気ままに生きている。


連鎖はここで終わったよ。


終わったのだから、好きに生きていいのだと、自分に言い聞かせている一人娘の一人娘はなんだかんだで、言いたいことが言えない人になってしまったよ。


連鎖は断ち切れているはず。


大丈夫。


毎日確認しながら、言えない言葉を文字で書き始めたら、意外とどうして気分がすっきり晴れてきた。


言葉には出せないけれど、ずいぶん文字は、おしゃべりになって、最近とっても騒がしい。


そろそろ言葉も、出てくるかもしれないね。


それがとっても、待ち遠しいよ。

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