人生は決断の連続だ
目覚めると白い天井が見えた。
体を起こすと白い壁が見えた。下は白い床だ。
少し落ち着こう。
一度深呼吸をして、一度頭を掻いて、一度目を擦る。
オーケー、これは夢じゃない。
寝かされていたベットから腰を上げ、周りを見渡した。
大体5メートル四方の部屋。
正面にはドアがある。白いドア。
君ならこの状況をどう考えるだろう?
誘拐、監禁、軟禁、刑務所、棺桶。
どれも出来れば避けたい事態だ。
僕はドアに向かって歩いた。
今気付いたが、服も白だ。
僕はドアの前に立ち、ドアノブを掴む。
このドアが開かなかったら最悪の事態だ。
誘拐、監禁、軟禁、刑務所、棺桶。
どれかに当てはまるだろう。
僕はゆっくりドアノブを回す。右に回す。
回りきったところで、ドアを引く。ゆっくり引く。
最悪な手応えは感じなかった。文字通り何も感じなかった。
つまりドアが開いたのだ。
脱出。
これが最初に僕の頭に浮かんだ言葉だ。
僕はドアを開きながらドアの外を見た。
よく見えない。
体が入る分だけドアを開けた。
今度はよく見えた。
ため息。
これが最初に僕が行ったことだ。
ドアの先には僕のいた部屋よりも、もっと大きい部屋。白い大部屋。
その大部屋の真ん中には人が座っている。十人くらいの男女。
そしてその先には二つのドアがあった。
その二つのドアの上に大きくこう書かれていた。
「人生は決断の連続だ」