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猫の寿命人間の人生

作者: mikoryu

孫が猫を拾ってきた

黒い猫だ薄汚れているから捨て猫だろう

軽いな…お腹に白い柄があるな…まるで

「ねぇおじいちゃん…飼ってもいい?」

猫を飼うというのは大変だ…犬と違って忠実ではないし寿命が違う

「猫を飼うというのは大変だ…覚悟が必要だ…飽きたからといって放ったらかしに出来ない…やめたほうが」

「むかし…おじいちゃんも飼ってたってお母さんが」

「飼っていたわけではない…一緒に過ごしていただけだ」

決して飼っていたわけでは無いそう…あいつは


――――――――――――――――――――――――


あの日は雨がよく降った日だ

「捨て猫か…」

この時期は捨て猫が多い冷たい冬が終わり暑い夏が来る前に捨てる

しかし子猫だ雨が多いこの時期生き抜くのは厳しいだろう

「拾ってや…」

だめだな俺は一人暮らしだ生活に余裕などない面倒を見れるとも限らない

ましてや猫は寿命が違う、大層なことがない限り命の最後を看取るのは人間だ

「すまないがお前を飼えない…他のやつが来るまで頑張れ」

雨が降っているとしても猫は外で生きる生き物だなんとかなるだろうだから

「にゃー」

「仕方ない飼うことはできないが、飯と住処は貸してやる」


――――――――――――――――――――――――


「ただいま」

返事など来ないが昔からの癖で言ってしまう

「汚いなとりあえず洗うか」

軽い…身体は冷えてないようだ

「顔はシャワーしない方が良いだったか」

ではどうやって汚れを落とすんだ

濡れたタオルで拭けばいいか


「よし綺麗になったな」

身体を持ち上げてみるがやはり軽い…ん?なんだこれは柄か?全身黒いのにお腹だけ白いのか

「にゃー」

飯を催促してるのか、図々しい奴だ

「もう離乳食を食うくらいの大きさか」

しかしよく食う奴だ預かってる猫など普通は怯えて慎重になるんじゃないのか

それとも腹が減りすぎてそれどころじゃないのか

「にゃー」

まだ食うのか…


――――――――――――――――――――――――


「行ってくる」

「にゃー」

大学か昔は一番楽しかったが今は一番かどうかわからんな

それにしてももう夏か休みの間はあいつに構ってやれるな

「ッ!何故俺はあいつの事を?!ただ一緒に過ごしているだけだ飼い主でもなければ友人でもないというのに」

考えても仕方がないか


「ただい…ま」

「にゃー」

なんだこの惨状は

「お前また壁で爪研いだな…なんのための爪研ぎだ」

仕事増やしやがって



――――――――――――――――――――――――


「お前でかくなったな」

肥満か?しかし

「にゃ」

軽いな…前と体重変わってないんじゃないのか

「にゃー」

「おろすぞ」

猫は自分で散歩する生き物じゃないのかこのままだと体重変わらなくても太るな今度公園に連れてってやるか


――――――――――――――――――――――――


「にゃー」

「わざわざ公園に連れてきてやったんだ…運動しろ」

全く最近ましの量ばっか増えて運動してるとこみてないな


――――――――――――――――――――――――


「お邪魔します〜」

「ただいま」

「にゃー」

こいつは誰だという目で見るな

「あー、横のはお前が見たくてきたらしい」

「初めてまして猫ちゃん」

「にゃー」

すまないが少し相手をしてやってくれまた少し太ったようだ

「あの?猫ちゃんえらく貴方に懐いてますね?あまり構ってないとのことですが」

そんなニヤニヤしながらこっちをみるな

「こっちから構ってないだけだよって来たら撫でるくらいはしてやっている」


――――――――――――――――――――――――


「もう大学も卒業か」

「早いですね」

「にゃー」

なんだかんだこいつも家によく来るようになったな

卒業したらそれも終わりか…終わってしまうのか

「お前はこれからどうするんだ?」

「え?なんですか」

「いや…卒業したらもうお前も来ないだろうなと」

「そう…ですね…卒業したら会えないですね」

「にゃー」

そんな不安そうにするなちゃんと言うさ

「それでだな…これから先その…一緒に過ごしたくれないか」

意外とこう言うものは緊張するんだな

「あの?それはプロポーズですか」

「なんでだ…普通は交際からだろ」

なんでいきなり婚約になるんだ

「え?!私たちまだ付き合ってなかったんですか?!」

「交際していたのか?」

そんな話は今初めて聞いたな

「というか返事はどうなんだ…嫌なのか?」

「そんな事ありません!不束者ですが末永くよろしくお願いします」

「にゃー、にゃー」

そんな微笑ましそうな目でみるな


――――――――――――――――――――――――


「貴方できちゃいました」

できたとはなんだついに料理が作れるようになったのか

「なんだ目玉焼きまだ焦がしてたのか」

「違いますよ!それはまだできないです!」

目玉焼きまだ作れないのか

「じゃなくて!子供ですよ!私と貴方の」

「にゃ!」

「なんだと…それは本当か」

めでたいな

「とりあえずお前の親御さんに連絡しようか」

「はい!」



――――――――――――――――――――――――


「スヤー」

「ニャー」

不思議だなあんな小さかった子猫が今あんな大きくなって今の俺にはもう子供がいる

「そいつは俺とあいつの子だ」

「にゃー」

「可愛らしいでしょ猫ちゃん危険なことしないようにしっかり見ててね」

「にゃー」

そんな事猫にわかるのかというかまだ歩けんだろう



――――――――――――――――――――――――


「ニャーニャー!」

「ニャーニャーじゃなくて猫よね・こ」

「ニャコ!」

「…にゃー」

それでいいのかお前は

「ニャコじゃない猫だ」

「ニェ…ニェ…ニェコ!」

「…ニャー」

「はぁ…」

まだまだしっかり喋れるようになるのはさきのようだ



――――――――――――――――――――――――


「ニェコ!しっぽ!ふりふり!」

「そうそう猫ちゃんの尻尾ふさふさで気持ちいいのよ」

「…にゃ」

「しっぽ!」

鷲掴みにしたな痛くないのか

「…にゃー」

余裕そうだな

「ふりふり!」

手ごと尻尾振ってるな疲れないのか

「…にゃ…」

ちょっと疲れてるな



――――――――――――――――――――――――


「貴方!猫ちゃんが!」

「どうした!」

「ニェコいない!」

「どこ探してもいないの!家の中にも庭にも!」

「あいつ…俺は外を探してくる返ってきたら教えてくれ」

いつもは引っ張っていかないと外に出ることすらしないのに



「ただいま」

「貴方猫ちゃんは!」

「…いなかった」

「ニャーニャーどこぉ!」

もしかしたら…猫は自分の死期を悟って人の目の届かないところに行くらしい

「…にゃ」

「おいお前一体どこに!」

「にゃー…」

あぁそうかもう12年かいい時だな

「猫ちゃん!」

「ニェコ!いる!」

「あぁ…」



――――――――――――――――――――――――


「…にゃー…」

「どうした…」

「にゃ…」

「あぁそうかもういくのか…」

「にゃ…」

「猫ちゃん…」

「ゃ…」

「ニェコどうしたの…げんきないの?」

「猫ちゃんはね楽しいところに行くのそれでねバイバイするの…」

「ニェコとバイバイ…やだ!もっといっぱいあそぶ!」

あぁそうだな…ばいばいは嫌だな…だが

「大丈夫だこいつは少し離れるだけだ寂しくなんかないさ」

「そうなの…ニェコしゃんありがと!ばいばい…ん…ありが…と…ね…ぐすっ」

「にゃ…」

「猫ちゃん私も貴方に感謝してます…あなたのおかげで彼とも出会えて感謝してもしたらません…本当にありがとうございました」

「ゃ…」

「お前…今更かもしれんが…その…お前と会えて良かった…ありがとう」

「ゃー…」

「……」

お前…本当ありがとうな…



――――――――――――――――――――――――


「ねぇおじいちゃんこの猫飼っていい?」

「猫を飼うというのは大変だ…覚悟が必要だ…飽きたからといって放ったらかしに出来ない…やめたほうが」

「むかし…おじいちゃんも飼ってたってお母さんが」

「飼っていたわけではない…一緒に過ごしていただけだ」

「そう決して飼っていたわけでは無い…あいつはただの親友だ…」

「あなた…」

「それでも飼う!」

そうか、どんな返事を返そうときっと孫は猫を飼うな

「おじいちゃんこの子になまえつけて!」

名前か…そういやあいつを名前で呼んでやってなかったな…考えてはやっていたんだが

「少し持っていいか」

「いいよ!」

軽いなそれにお腹に白い模様…まるであいつだ年齢的にひ孫かもしれんな…まさかなただの偶然だ

だけどあいつにやれなかった名前を与えてやらなければな…そうだな名前は……

「名前は自分で決めなさい」

この猫はこれから俺ではなく孫と過ごすのだ

「これはお前の猫だ、だから自分でつけなさい」

「わかった!」

すまないな俺の孫のこと見ていてくれ

「頼んだぞお前」

「ニャー」

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