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ディバインギフト ~漆黒の討伐者~  作者: モグラ
第一部 討伐組織結成編
4/21

第3話 封書の配達

 喫茶店マリス・ステラで、ルージュから受けた封書を目的の住所に届ける依頼。


 その封書は、『討伐指令書』というもので、これは魔物(モンスター)と戦う討伐者組織に対して、魔物(モンスター)の討伐命令を下すものである。


 封書を届けているグレイも以前は、討伐組織に加わっていた。


 だが、ある事件を機に、組織に疑問を感じ、自分を責めるようになり、組織を逃げ出したのだった。


――気がつけばあれから二年が経過していた。


 グレイは、素性を隠しながら逃げ込んだ街で、新しい生活をするために、職を探して働いた。


 夢がある訳でもなく、希望がある訳でもなく、ただただ働いた。生きて逃げる為に。


 だが、グレイには満たされない『何か』が感情の奥底にあった。


 討伐組織から逃げたはずの感情は、ここにはない『何か』求めていた。


 ブロロロロ……


 グレイは、古びたスクーターを飛ばし、目的地の住所まで向かう。


 住宅街の中を抜け、暫くすると人気のない通りに出る。


 その通りをさらに進むと、何やら古びた小さな建物が目に留まる。


 郵便ポストがあったであろう残骸には、ボロボロの表札が刺されており、そこには、『ハウス・ノクターン』と書かれていた。


 グレイは封書の住所を確認し、目的地の住所だと確信する。


 ポストがないため、直接手渡しでしか相手に渡す方法しか思い当たらず、玄関前に立ってドアをノックする。


「すみません、郵便です。 どなたかいますか?」


 家の中に居るであろう住人に聞こえる様に声を張る。


……ドン、ドン、ドン、ドン!


 足音が段々と大きくなって聞こえてくる。


(どうやら住人は居たようだな)


 グレイは封書を渡す準備をする。


 ガチャリ


 ドアの空いた隙間から、背の低い小柄で茶髪ツインテールの少女が、睨むように顔を出してきた。

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