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ワタクシ。Ritaであります!  作者: リノキ ユキガヒ
第七章「ついに」①
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 受付でのひと騒動をなんとか切り抜け、我々は官舎というか、庁舎への案内を受け、そちらに赴いた。

 敷地内の事は軍規に反する可能性があるのであえて割愛させて頂く。

 少し、いや、大分歩いただろうか?幾つかある、庁舎の中の一つの前に私達は着いた。

「この辺りで待っていればいいのかな?」

 マネージャーさんが小声で呟く。私は彼の言葉に首をかしげて応じた。

 そして辺りを見渡した。意外にも軍事施設という感じには見えない。

 駐屯地に比べると、トラックが見えたり、訓練用の設備がそこかしこにある訳では無い。

 勿論、90式も無いし、ましてやサーベルを吊り下げた憲兵もいない。

 なにかこう、天王洲アイルとか丸の内みたいな、ビル同士が一つのコミュニティを形成している区画のようだ。

 自販機の補充の方が制服姿でスタスタと私の脇を歩いて行き、メーカーのロゴが記載されたトラックの方へと向かって行った。

 正直、何か肩透かしを喰らった感じだ。オフィスビルの日常と大して変わりがない。

 ただ、決定的に違うのは行き交うほとんどの人が軍服姿である事だ。

「案外、のんびりとした雰囲気なんですね」

 マネージャーさんがポツリと呟いた。

「やっぱ。そう思います」

「ええ」

「かといって不必要に緊張感ビリビリでもいやですしね」

「あ~。大御所のいる現場とかみたいにねー」

 それからお互いによその現場の愚痴を二言三言、言っていたところであろうか?

 不意に話しかけられた。

「あの~。公報用のポスターで…」

 マネージャーさんと私はその声のした方に同時に振り向いた。

 そこには角刈り頭でニコニコと笑顔の男性が立っていた。

 無論。首から下は軍服であり、体格も普通の男性と比べても相当なものである。私なぞ一捻りだ。

「あ~、どうも~、私リタのマネージャーをしております…」

 と、言いながら彼は名刺を取り出す為にスーツの内ポケットに手を忍ばせた。

 私は一瞬焦った。

 仮にも自衛官の前で、自分の手先が見えなくなるような動きをするのは危険ではないかと。

 素早く広報官の方に私は視線を飛ばした。

 しかし、彼も似たような行動を示していた。

 流石にそれだけで手を捻り上げるなんて事は無かった。私の早合点だけで済んだようだ。

 互いに名刺交換をすませると広報官の方は我々の目の前にある庁舎へと歩き始めた。

 意外な事だが庁舎の前には警備の方などはいない。

 自動ドアをくぐると、駅の改札で有るようなゲートがいくつか設置されており、広報官の方はそこにカードを当ててゲートを解放した。

 私達はそこを…。

 と、そこから先は国防に関する事なので私達の行動を晒すのは控えさせて頂く。

 で、私達はとある建物のとある階数のとある部屋へと通された。

 中は意外とガランとしていた。執務室ではないのは明らかで、どちらかというと空き部屋にとりあえず、ミーティング位はできそうな設備がある感じだ。部屋の隅には無造作に段ボールが積み上げられていた。正直、出版社の会議室とあまり変わりは無い。

「どうぞ」

 広報官の方に促されるまま、私達は彼の対面に着座した。ちなみに椅子は只のパイプ椅子だ。

 我々の腰が落ち着くかどうか?のタイミングでドアをノックする音が室内に響く。

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