表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と君の時間が終わる。  作者: 風音
2/2

転校生

2話目です

俺は、夕方の教室に一人佇んでいた。

窓からはいる、オレンジ色の光は妙に俺の心を癒してくれる。

心の闇を消すような感じで、とても心地いい。


でも、なんだろう?


なにか、足りない…

自分にとって、大切だったものが欠けている感じ……

綺麗になった心に穴が空いている、異様な空虚感。



俺は、結局なにが足りないのかわからなかった。


だから、ただ夕陽をみるのだった。







「夢か…」


さっきみていた、妙な夢……

完璧に覚えているわけじゃないけど、うっすらと覚えている。

なにか、俺に伝えようとしているような感じがした。



今日から、新学期。

俺の学年が一年上がる。

今日で高校二年生だ



俺は重い体を起こし、洗面所で顔を洗って

サッパリとしてから、リビングに向かう。


「おはよう」


その言葉は誰にも届くことは無い。

ただ、虚しく響くだけ……


それでも、俺は朝の挨拶はかかさない。

多分、癖なんだろうな。



そして、冷蔵庫から、ヨーグルトとフルーツグラノーラを取って、

食べる。


サクサクした食感ととろっとした食感が、妙に合って美味しい。



今でも思い出す、家族との日々……

今よりも美味しかった、フルーツグラノーラとヨーグルト。

誰かと食べると、何倍も美味しく感じた。



さみしい…


朝はいつもそう思う。

学校は騒がしいから、さみしくないのだが…





俺は食べ終わった食器を片付け、制服に着替え、家を出た。

少し、ネクタイをきつく締めすぎた気がするが、それのおかげでいつもより背筋が

のび、正しい姿勢で歩けている。




そのせいか、いつもよりも早く駅まで歩けて、いつも乗っている電車の一本前に

乗ることが出来た。


電車内では、通勤、通学の人がかなり多い。みんな、黒いジャッケットやブレザーを

着ていて、辺りが暗く感じる。


今になって、気づいたが黒色の服は、すべての色を吸収するのではないかと思う

くらい、黒い。


何を考えているのやら…


俺はいつも、こんな変なことを考えて通学している。

別に変な趣味じゃないはず……自信はないがな…



あっという間に学校の最寄り駅に到着した。

この駅の周りには、居酒屋などが多い。

そのせいかなのか?

酒、タバコの臭いがする。


俺は鼻を軽く抑え、足早に学校へ向かった。








うちの学校は、校門を通ると桜の木がたくさん生えている。

今の時期はちょうど桜も満開で、これでもかと言うほど桜の花びらを散らしている。


新入生を迎えているのだろうか?


みんなそう言うが、俺は……


「必死に自分の存在を認めて欲しい」


そう言っている気がする。




たくさんの花びらを散らして、俺はここにいるよ。

ちゃんと覚えて置いてね。


俺には、どうしてもそう感じてしまう。

多分、俺自身が認めて欲しいと願っているからそうみえるのだろう。


人によって見方が違うとはこういうことだろう。




俺は、そう思っているから、さっさと桜の木の道を後にする。




靴を履き替え、昇降口に掲示されている、クラス割をみて、自分のクラスを確認する。


去年と同じ、C組だった。担任も同じで、しかもクラスのメンバーがほぼ

同じだった。


普通なら、去年のクラスに馴染めなかったら、このクラスやだとか思うだろう。


でも、あと少しの命の俺からしたら、どうでも良かった。



黒板の座席表を確認し、自分の席に荷物を置いて入学式に出席した。


内容は簡単だ。

一年の名前を呼び、校長が入学を許可する


あとは、生徒会などが、入学おめでとうと言うだけ。


そんなのに、一時間かかり、俺はやっと自分の席に座った。



早くもHRが始まる。

俺はめんどくさいから、机にうっぷして寝ようとする。

しかし、今回のHRはいつもと少し違った。



なんと、転校生が来るらしいのだ。


そのせいで、クラスは大盛り上がり!

寝ることだできなかった。




いきなり、扉が開いた。


カラカラっとなる音は現在も健在である。



そこから入ってきたのは、先生と一言では言い表せないような美少女であった。


男子はテンションがさらに上がり、叫ぶやつもいた。


確かに、美少女である。

大きい瞳に長いまつ毛。

髪は綺麗な金髪ロングで、華やかさを醸し出しいる。

スタイルもよく、モデルみたいだった。



俺はついつい、見とれてしまった。

それほどまでに綺麗だった。



「それでは自己紹介を……」


先生がそう言う。


転校生は元気よくこう行った。


「私の名前は神田梨紗! 矢崎翔くんの恋人です!」



フリーズ状態になった。


状況は…………



「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」


つい叫んでしまうのだった。

ブクマ、感想よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ