命の選択
ある人の作品を受け継ぎ、アレンジしました。
許可も貰ってます
俺は夢を見た。
儚く、気を抜けばすぐ忘れてしまいそうなほど、うつらな夢。
それでも、心には刻み込まれているような不思議な感覚…
俺は、病室の窓から光り輝く夜空を見る。
そして、俺は感傷にひたるのだった。
自分の体の異変に気がついたのは、今から三週間前だ。
朝、とても頭が痛いと感じたのと、吐き気が酷かったのだ。
風邪かなと思い、その日は学校を休んで、病院に行った。
そこで薬を貰ったのだが、全く効かなかった。
おかしい…
そう思ってインターネットを使い、自分の症状に当てはまる病気を探した。
すると、脳腫瘍というものがみつかった。
かなり、自分の症状と一致していてとても不安になった俺は、大きい総合病院に行った。
俺は医者に自分の症状を話し、MRIを撮って欲しいと頼んだ。
それほど心配だった。
両親ともに、脳の病気で急逝してしまっているということもあり、
念には念を入れたかった。
撮り終わり、医者に呼び出された俺は、鼓動をはやくして結果を聞いた。
それは、最悪な結果だった……
「矢崎翔くん、あなたは脳腫瘍ですね。」
「えっ!……」
脳腫瘍だと……
「すみません、脳腫瘍ってなんですか?」
知るわけないだろ、脳の話はしたくないんだから。
「えっと、矢崎翔くんの脳腫瘍は神経膠芽腫と言って、大脳に腫瘍ができるものです。しかもこれは悪性で……さらには手術しにくい場所にありますね。」
「そんな……」
死刑宣告されたような気分だった。気持ちがどんどん沈んでいく……
父さん、母さん、俺も脳の病気だってさ…
家族揃ってかよ。 笑えない冗談だな。
「先生!俺はどうすればいいんですか?」
一番気になることを震える声で質問する。
今すぐ、誰かの胸で泣きたい……そんな気分だった。
「そうですね…この腫瘍を取り除くのは難しく、失敗する可能性が高いです。かと言って、放置して置くと三ヶ月後には死んでしまうでしょう。」
嘘だ……
失敗する可能性が高い?
放置すると三ヶ月後に死ぬ?
なんで、俺なんだよ…
運命は残酷とか言う人の気持ちがわかる気がした。
医者の話はまだ続いた。
「君には、二つ選択肢がある。手術を受けるか、受けずに三ヶ月の命で終わるかだ。」
その言葉は俺の心にズシリと響く。
どうするべきなのか……
手術は失敗する可能性が高い、失敗すれば、三ヶ月も生きていられない。
でも、成功すれば…
そう考えるなら、三ヶ月で死ぬ方がいいのか?
あまり言いたくはないが、家族もいないし、友達もいないのだ。
若干暗いからだと、俺は思ってる。自分から話しかけられないし…
だから、俺が死んだって悲しんでくれる人は誰もいない。
これから幸せになれるのかもわからない。
金もないし…
それなら…俺は……
「手術を受けず、三ヶ月の命を大切に過ごします!」
高校二年でこんな決断するのは、とてもきつい。
家族や友達がいるなら、俺は手術を受けたと思う。
でも、いないから…
俺は……
「そうか、辛い決断をさせて悪かった。一ヶ月後にまた来てくれ。」
そう言われ、俺は家に帰った。
歩く道のりはいつもの三倍くらいに感じられた。
頭の中は、この選択で良かったのかということでいっぱいだ。
いざ、言ったのはいいが……
俺はその日、飯が喉を通らないことや寝付けないといった状況を体験したのだった。
そんな、俺にあることが起きるのだが……
そんなこと、俺は知る由もないのだった…
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