三話
短いですが、ここでキャラメイクは終わりです。
後ほど修正が入るかもしれません。
【採取】【料理】【鑑定】
「こんなところかしら。あれ?これだと私...戦闘できない?僧侶に攻撃魔法はない...みたいだし...」
正確に言えばあるにはあるが、死霊などを浄化するだけのものだったりと、用途が狭い上、先日発売されたばかりで詳しい情報が出回っていないのである。
「どうしましょう...一人旅だと必要なものばかりだし、かと言って攻撃できないのでは旅は危険だし...やっぱり薬師にしておくべきかしら...ん?」
現在入力しているウィンドウの横に、あらかじめスクショしておいた情報を開いているのだが、そこにはこう書かれていた。
『素養系や武器系の技能を育てると戦闘用のスキルを取得できるが、その中に素手や蹴りにもスキルがある。これらは武器に比べて威力は出ないが、技能の枠を埋めずにスキルを覚えることができる』
NFTではそれぞれの技能に熟練度があり、使えば使うほど熟練度は伸びて行く。そして熟練度に応じて技能が上の段階に昇華されたり、スキルを覚えたりする。素養系ならそれぞれの素養に合わせた武器やスキルを使うことで熟練度が上がり、料理なら料理しただけ熟練度が上がる。武器系技能は素養系に合わせたものしか取れないが、素手や蹴りなどは技能として取得することなく、熟練度を上げられる。しかし...
『武器に比べて本当に威力がでないため武器を使うことをお勧めする』
「...」
これを見て、望は、
「...なるほど。つまり、縛りプレイね!」
ーーー喜んでいた。
「このゲームに最初から大容量のアイテムボックスがあるなら【採取】を捨てて【杖】を取得するのだけど、最初はアイテムボックスの空きが少ないみたいだし、移動を考えると【採取】はやっぱり持っておきたい。」
NFT内でのアイテムボックスは人々に与えられた祝福という設定で、ゲーム内でレベルアップ特殊なクエストやアイテムを使うなど、色々なもので拡張されていく。持ちきれないアイテムは街にある倉庫などに預けることになるが、倉庫がどの街にもあるわけではなく、手間がかかるため、アイテムボックスを拡張してその中に入れて冒険するのが普通だ。
だが最初はどのプレイヤーも少ない為、パーティで持ち物を分散させたりするのだが、一人旅のためそういったことができないので必要なものをボックスに入れると食料などは入りきらないのである。
「武器系技能を手に入れるまでの間は素手や蹴りに頼ってみましょう。手や足の防具を着けてると若干威力上がるみたいだし、【杖】取得までの簡単な縛りだと思えばいいわね」
「それじゃ、改めて技能の確認すると」
【僧侶の素養】
【魔の強化】
【採取】
【料理】
【鑑定】
「この5つで決定、と。最後に名前ね...ならミヅハ、これで決まりね」
全ての入力が終わると、再び声が響く。
「【New Fairytale】の新たな冒険者よ。あなたに祝福あれ!」
そして、視界が暗転した。
次回からは主人公視点での活動になります。
今回はちょっと無理やり感がありますね...。