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回復職が一人旅!  作者: 月の海
まだじゅんびはつづく
19/19

十八話

やっとこさ投稿です。

次も遅くなりそうですので、気長に待っていただけると嬉しいです。


森うさぎと初戦闘した場所よりさらに数刻、奥に行くと出てくるのが森狼(もりおおかみ)だ。


名前からわかる通り、森に住む狼で、濃い緑色の毛皮と赤い瞳が特徴な魔物らしい。


この魔物からは毛皮や牙、爪などが手に入り、もう1つ特殊な素材が手に入る。


魔石だ。

これは魔力を持つ魔物が落とすことのあるアイテムで、現時点では入手難易度が高めで、効果も高いレアアイテムだ。


魔石は魔力を持つアイテムや装備を作るために必要で、生産系のレベル上げにも使える序盤の美味しいアイテムらしい。


武器や防具に魔石を、宝石のようにカッティングして嵌め込んだり、砕いて染め粉のようにして布に染み込ませたり、装飾品にしたりで多種多様な使い方ができるという。



そんな便利アイテムだが、入手難易度も高い。

今回目標とするフォレストウルフは森うさぎ以上の速さと攻撃力はもちろん、森での戦闘で気配を感じ辛くなる能力がある。これはコボルトも持っていた能力らしい。

そして何より、魔石を落とすということは、魔法を使うということだ。

フォレストウルフは森に由来する魔法を使う。

蔦を鞭のように使う魔法、鋭い枝や葉を飛ばす魔法。

他にもあるらしいが主な魔法はこれら。

魔法により戦闘が複雑化していき、倒してもドロップするとは限らない。



まあ今回はレベルあげのついでにドロップを狙ってみようかという話になった。

装備も整えなければいけないので毛皮の方が個人的には欲しいのだ。

取得した生産系は全て育てることに決めたらしいルベに作って貰う。



「毛皮はどんな装備にするの?」


「上着にしようと思っています。でもどんな感じか見てみないとわからないので、予定ですけどね」


「そっか。なら手に入れるためにそろそろ出発しようか。消耗しない程度に道中の敵を倒していこう」


「はい。あ、矢の補充だけしてきますね」


「うん、いってらっしゃい」



私も待っている間に装備などの確認をしておく。

と言っても耐久度は問題ないので食事中外していたガントレットや手袋を装備するだけだが。


そういえば、新しい技能を新しくできたスロットに入れた。



【蹴り】 Lv:1

脚を使ったスキルを覚える。威力は低い。



近接格闘をするなら拳だけでなく脚も使えた方がいいと思っての取得だ。

他にも【短剣】や魔法、【索敵】などを候補に入れたが、一番ピンときたのが【蹴り】だった。

他のはまたスロットができたら取得するとする。

ちなみに【素手】はもうすぐでLvが10を超えそうだ。

...新しいスキルは覚えなかったが。そろそろ変化が欲しいところだが、まあ焦らずやって行こう。



「お待たせしました!」


「ん、それじゃあ行こうか」



ルベの用意ができたようだ。

早速森に行こう。















『強打』

「ぐぎぃっ」



現在地は森の中、ゴブリンを倒したところである。

森うさぎやゴブリン、たまにコボルトが出てくるが、フォレストウルフは見つかっていない。



「結構いるけど、出てこないわね...」


「そうですね、聞く限りじゃあ発見数は少なくないはずなんですけど...」



少し薄暗い森の中、地面もでこぼこが多くなり、それを覆うように緑が生えて足場が悪くなっている。戦闘できないわけではないが、無理はしない方がいい。



「足場が悪いと危ない...少し引き返しましょうか」


「はい、ちょうどお昼頃ですし、買ってきたサンドイッチでも食べましょう」


「そうね、いい具合にお腹も減ってるし」



お昼ご飯だー!

NPCの露店で売っているサンドイッチをお昼用に買っておいた。

あの街は最初の拠点であることから色々な店があり、種類にも困らない。

VRだから栄養を気にする必要もないので好きなものを食べれるのが更に良い。



「わたしもですけど、ミヅハさんは本当に嬉しそうに食べますよね」


「うん。沢山食べても太らないし、何より美味しい」


「ですよね!太らないのも美味しいのも重要です!」



適当な木の根に座り込み、ルベと会話しながら食事をとる。体型を気にせず食事をできるのは良いことだ。


アイテムボックスからサンドイッチを取り出す。


一枚の分厚いパンを半分に切り、具材を挟んだものだ。

少し固めのパンにはバターとマスタードがたっぷり塗られており、中には瑞々しいレタスに軽く焼き色のついたウィンナーが挟んである。


大きく口を開けかぶりつく。

噛むとパリッと皮が弾け肉の旨みを感じさせるウィンナーに、ピリッとした辛さのマスタードと濃厚なバターがよく合う。

シャキシャキとしたレタスは口の中がくどくなりすぎないように調節してくれている。

食べ応えを与えてくれる分厚いパンは、ウィンナーから溢れた肉汁を吸い、少しも無駄にしない。

森の中で食べるという状況も、美味しく感じさせるスパイスの1つだ。


ルベと一緒にこうして自然に囲まれながらサンドイッチを食べていると、小さな頃のピクニックを思い出して、顔が綻んだ。

妹がいたらこんな感じだったのだろうか。

なんにせよ、1人で楽しむ食事も、一緒に食べる食事も美味しければいい。


食べ応え満点のサンドイッチはルベと話しながら食べるとあっという間に消えてった。

お腹は膨れた。レベル上げの続きをしよう。






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