十六話
短いですが投稿です。
今後も不定期で更新する感じになると思います。
そうして何体かゴブリンを倒し、ルベのプレイヤーレベルが1つ上がった。
このままレベルを5まで上げれば技能スロットが1つ増える。
このまま狩りを続けよう。
「...ん?」
「?どうかしましたか?」
「何か、見えたような...」
草木の間で何かが見えたような気がした。...灰色?
ガサッ
「!...何かいるわね」
「はい...私にも聞こえました」
草を踏み締める音とともに影が高速で動くのを見た。
ルベは弓から棒に持ち替え、私もダガーを逆手で右手に持ちボクシングスタイルで、ルベと背中合わせに警戒する。
(ゴブリンではないのは確か...でも森うさぎでもない。影の形やさっき見えた色と違う。速いのは一緒みたいだけど)
周囲を走り回っているらしいそれはどうやら1匹ではないらしい。
複数の足音が聞こえる。草を踏みしめ揺らす音と灰色の影。
そしてそれらが一際大きな音を立ててそれが飛びかかってきた。
「グルァア!」
「ーーー!っくぅ!」
「ミヅハさん!」
どうやら2匹だったらしい。1匹目の攻撃は避けれたが、2匹目の攻撃でHPが削られた。
狼人間、と言えばいいのだろうか。
犬の頭に灰色の体毛で覆われた人のような体。
手足には鋭い爪、口には剥き出しになった鋭い牙。
(【鑑定】...!)
コボルト Lv2
HP30 MP10
コボルト Lv3
HP35 MP10
解説を読む暇はない。
攻撃した後すぐにまた森に隠れてしまった。
(一撃自体はそこまで重くはない...。でも連携が厄介)
「ルベ、次の攻撃が私の方に来たら、一体は取り押えるわ。その間に叩いて」
「は、はい!」
話し終えると次の攻撃が来た。
狙いは...私!
『強打ッ』
「ガァウ!」
「ったいなぁ!」
スキルを発動した左手で、飛び出してきたコボルトの頭を叩きつけた。
もう1匹の方からダメージもそこまで大きくはない。痛いけど。
その後は叩きつけたコボルトをルベと一緒に叩き、もう1匹も同じ要領で倒した。
防御力のある敵ではないらしい。
「終わったね。でも見たことない魔物だった」
「この森も相当広いですからね...きっと違う魔物もいっぱいです」
それもそうかと考える。
まだまだ未開の地が多いのだ、この世界は。
「さて、想定外だったけど、まだまだやるよ」
「あう...頑張ります...」