十二話
「ーーふぅ」
疲れた。
あれだ、野生の動物相手に素手で相手するのが間違ってる。誰だ武器なくてもいけるとか縛りプレイとか言ったの。私だバカやろう!武器いる!もしくは盾!
まだそれほど時間が経っていないのに一日中戦っていた感じがする...。それだけ集中していたんだろう。今日はもう森うさぎとは戦いたくない...
一旦街に戻って休憩しようか考えながらボックスの中身を確認する。
うん、ドロップに森うさぎの肉と皮が入っている。ツノは手に入らなかったみたいだが、その分皮が二枚ある。
お金も結構入っている。
昨日ゴブリンを複数狩って得たリスタが500ほど、それが森うさぎ一体で500。結構、というよりかなりの収穫だろう。私としては。
さて、立ち止まってるとまた遭遇してしまうかもしれない...それは避けたいのでさっさとこの場を離れ
「キュウ!」
「ーーーー」
もう無理。
これ以上は勘弁して。
服はボロボロ、体力も危ない、MPも尽きそうの三拍子揃ってる。
初期装備の服は耐久度がないから、放っておけば修復されるらしいが死にそうなのには変わらない。
きっと私の目は死んでいる。
結局途中からは捨て身でヒーリングしながらの撃破だった。
突撃してくるのに合わせてこちらも真正面から拳を入れるという、無理矢理な戦闘だった。...避けるのが面倒になったとかじゃない。決して。
ヒーリング一回じゃ回復しきれなくて最後はほんとにギリギリだった。
...この場離れよう。二の舞になるのはゴメンだ。まだレベルが足りない。
先ほどの戦闘で上がったとはいえ、まだゴブリンくらいの相手がいいだろう。
序盤からこの調子で大丈夫なんだろうか、私よ。
ああ、HPもなんとかしないと...帰り道も敵が出る...し...
「...MPない...から、ポーション?」
(...今日は厄日ね、自業自得だけど...)
なんかデジャヴを感じるが気のせいだろう。
今は出てくるゴブリンと戦闘しながら街に帰還中だ。
...口直しにお昼用の串焼きを食べながら。これがなかったらきっと私の目は死んでいただろう。あれ?またデジャヴが。
兎にも角にも、街に戻り休憩しよう。そして森うさぎをもっと安全に倒せるように、何か策を練らなければいけない。
今考えられるのは...盾なんかの防御に使えるものだろうか?技能が無くても受け止めることには使えるだろう。
なら街に戻って休憩したら、装備を扱う店か露店に行ってみよう。
考えているとちょっとはモチベが回復してきたぞ。
食べ終えた串焼きの串をボックスに放り込みながら、私は歩みを速めた。
今回のまとめ
二度あることは...
装備の出番がついに!