十話
今日二回目の投稿です。
家事を終わらせ、NFTにログインした。
現在はスタート地点の噴水の前だ。
今日のやることもだいたい決まっている。
一先ずの目標はプレイヤーレベルを10にあげることだ。そうするとスキルスロットが2つ増える。ここに新しい武器の技能を入れたいのだ。
昨日ゴブリンと戦った時ダメージを貰ったのだが、一撃でHPの3割近くを削られたのだ。これはまずい。
防具を装備すればいいとは思うが、攻撃手段がゼロ距離しかないため、ダメージを軽減できても被弾率は下がらない。
そのためには間合いを取れる武器ーーー槍や弓ーーーを取得したい...のだが。
「この素手技能が勿体無い...なんとかならないかしら」
一番育っている技能の素手が無駄になるのも勿体無い。
だが素手を生かすとなると接近戦以外に選択肢がなくなる。だから被弾率は諦めて防御を高める選択肢も存在する。
「悩みどころねぇ...そんなところも楽しいんだけど」
悩むのもゲームのうちでは楽しみの1つだろう。試行錯誤していく楽しみは新しいゲームを始める時のワクワク感とはまた別のものだ。
「まぁ今は悩んでもしょうがないし、こっちの世界でもお腹は空くみたいだから、何か買って食べますか」
ゲームの中で空腹を感じるというのも変な感じだが、およそ現実に近い形でできているゲームらしいから、そういうものなんだろう。空腹で倒れて死に戻りとか嫌だし、昨日のゴブリン狩りで手に入ったお金もある。さっそく行こう。
露店などが立ち並ぶ通りに来てみた。肉の焼ける音や店主とお客の会話などが聞こえ、朝から活気のある場所だ。
プレイヤーらしき人たちもちらほら見かける。食事を取ったり談笑したり様々だ。
手近な露店に入って見る。先ほどからいい匂いと音を立てて串焼きを作っている店だ。
「いらっしゃい!嬢ちゃん、朝飯かい?」
「えぇ、いい匂いがしたので、これは?」
「おう、こいつは森うさぎの串焼きだよ。美味いぞ!食ってくかい?」
「森うさぎ、ですか?」
名前からして森に住むうさぎなのだろう。だが昨日はゴブリンしか見かけていない。
「知らないのかい?東の森の少し奥にいるんだがね。小さなツノと耳が濃い緑色をしているのが特徴さ。普段は臆病だが怒るとツノで攻撃してくるんだ。結構体もでかいから危ないけど、狩れりゃ皮も肉もツノも使える美味いやつさ」
「そうなんですか...あっ、その串焼き、二本ください」
「あいよぉ!まいどあり!」
串焼きを受け取り店をでる。少し行儀が悪いが歩きながら食べよう。
串焼きを食べながら先ほどの会話を思い返す。
森うさぎは森の少し奥にいると言っていた。私が前回出会うことがなかったのは、森の浅い場所だったからだろう。
なら今日の目標は森うさぎの発見、あわよくば戦闘をしたい。レベル上げに加えて素材も手に入るならば一石二鳥だ。
それにこの串焼きが美味しい。もうそれだけで狙う理由になる。
肉自体は淡白だが柔らかく、それでいてしっかりした感触を持っている。
タレを重ねながら焼いたのだろうか、香りよく、肉にしっかり味が付いていて何本でも食べれそうだ。
それでいてボリュームもあり、一本で結構お腹が満たされる。
もう一本はお昼に残しておこう。ボックスに入れておけば温かいままで保存も効く。
さあ、今日も1日楽しもう。
街を出て草原を走り抜ける。森まで止まらず駆け抜けよう。
...草玉は面倒なので蹴っていく。経験値も美味しくないし。
今回のまとめ
もしかして:初会話(NPC)
焼き鳥はタレ派
今更ながら誤字脱字があればご指摘頂けると幸いです。