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僕の飼い主と「青の魔道書」  作者: 暦 司
転校生と転送人の影(2章)
28/30

ハロウィン特別編 1話

おまけです 本編には一切関係ありません。

全4話の予定です。

 走れメロスという作品を知っているだろうか?

知らない人のために、詳しい内容を省いて大まかに説明しよう。

 自分の身代わりとなってくれた親友を助けるために、

メロスが全力で王都まで走って戻るという話だ。

 この話は友情と、人を信じることの大切さを教えてくれる

素晴らしい名作だと思う。


 え? 何で急にこんな話したかって?


 それは、今現在の俺が親友の葵を助けるために走っているからさ。

何処にって? お菓子屋だよ!!

 

 ――嗚呼、どうしてこうなってしまったんだ。

理由は数時間前まで遡る……


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


――2時間前。


「……はろうぃん?」

 何それとばかりに首をかしげるミント。

器用にも尻尾でクエスチョンマークを作っている。


「そう、ハロウィン。」

ハロウィン。それは十月最後のイベントで、

日本ではお菓子メーカー三大策略の一つと言われている。

一年で最もお菓子が売れるであろう一日である。


 もともとハロウィンというのは、ケルト人の宗教上の風習が

キリスト教に吸収され、アメリカに渡って紆余曲折あり、

現在のお菓子メーカー大歓喜という行事になったのだ。

 

 汚いなさすがお菓子メーカーきたない。


「この世界の風習? どんなことをするの?」

「何するって言われてもな……」

 別に、そこまでハロウィンに詳しいわけじゃないんだが……


「……まずは仮装コスプレするんだ。」

仮装コスプレ? 僕はそれをやればいいの?」

「――いや、お前はすでに仮装コスプレしている。」

「?」

猫耳少女の時点でコスプレっぽいよな。

事情を全く知らない人から見たら完全にレイヤーだ。


「――はろうぃんって他に何するの?」

「えっと、近所を回って魔法の言葉を言うんだ。」

「魔法? ……不知火でいい?」

「駄目に決まってんだろ。」

悪戯どころの騒ぎじゃねえ!!


「……でも、僕は斬撃と移動以外の魔法なんて――」

「魔法っていたのは言葉のあやだよ。ただ、トリックオアトリートって言うだけ。」

「トリックオアトリート? 『悪戯されるかおもてなしするか』って意味だよね。

……それを言ったらどうなるの?」

 ああ、トリートっておもてなしって意味だっけ。

だが、ことハロウィンにおいては別の意味を持つ。


「ああ、言った相手から……」

「言った相手から?」


「――お菓子がもらえる。」


この一言が、今回の騒動の引き金となるとは思わなかった。



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