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僕の飼い主と「青の魔道書」  作者: 暦 司
転校生と転送人の影(2章)
23/30

ミント、この後予定あるか?

「起立!!礼」

 ――委員長の号令で帰りのあいさつを済ませる。

現在の時刻は1時。普段なら今は昼休みだが、

今日は特別日課となったのでこれで下校だ。

 ――クラスメイトが次々と教室を後にする中、俺はふと思った。

 

「……4時間目、何やったっけ?」


1時間目は国語だった。サボったが。

2時間目は数学だった。作戦会議やってたが。

3時間目は体育だった。いろいろと地獄だった。


 で、4時間目の記憶だけすっぽり抜けてしまっている。

確か、社会だったかな?


「社会の自習だったよ。紅葉は寝てたから覚えてないよね。」


 俺の独り言に、ミントが反応してくれた。

そうか、俺は寝てたのか。


「あ。そういえば、紅葉。」

ミントが睨みつけてきた。怖いよ、ママ。いや、まじで怖い。


「体育の時に言ったこと、あれは台本読んだだけ!勘違いしないで!!」

尻尾膨らんでる。怒ってるのか?

「別に分かってたよ。だから心配すんな。」

 最初から台本の台詞だってわかってたし。掛値さんの悪乗りだ。

――途中、ミントがヘタレとか言ってた気がするが、それは気のせいだろう。


「それに、別に僕は『紅葉の寝顔、かわいかったな』とか

『膝枕の時、手を出してきてもよかったけど』とか思ってないから!!」

何の話だ、それ。別に聞いてないし――


「……もしそれ思ってたらちょろインだな。」

 ちょろいヒロイン、訳してちょろイン。

さすがに3日で攻略できる子とかラノベの中だけだろ。


「――ちょろイン?何それ?」

 おっと、よく意味が分かってないみたいだな。ま、別にどうでもいい知識だ。

それに、ミントがヒロインとは考えられないしな。

――う~ん、どっちかというと主人公タイプだよな、この子。

 

一人ではどうにもならないことは、仲間に助けを求める。

でも、自分でできることは自分でやって、必要以上は絶対に巻き込まない。

普段はちょっと強気で、でもからかわれると弱い子。

顔は可愛い、体術もできる、魔法も強い。

そして、実は頭もいい。(自習プリントを5分で終わらせてた)



 ……ほんとにこの子、主人公っぽいよな。俺何かとは大違いだ。

俺なんかただの一般高校生だし。ラノベとかだと主人公ポジだけど。

それでも現実で普通の高校生なんて無力以外の何物でもないんだよな。

 

偶然ミントが持ってきてくれた魔装武器が銃で

偶然俺の中学生時代の趣味がサバゲーで

偶然俺の作戦が影の騎士(シャドー)に対して有効で

偶然魔装武器が回復弾も撃てる仕様で

偶然大剣の影の騎士(シャドー)が攻撃後にフリーズするっていうのが無ければ

俺はもうこの世にいないだろうしな。うん偶然だな、俺が生きてるの。ラッキー。

 

 ――せめて、魔法が使えればなぁ。

楓はすぐに使えたのに。何だよ『アルレス』って。どんな意味だよ。

他の二つに関しても意味あるのは片方だけって何なんだよ。


「な、何で僕の顔をじっと見てる?な、なんかついてるの?」

「いや、別にボーっとしてただけ。」

「え、それだけ?」

「それだけ。」

事実、考え事してただけだし。


「……フーン。」

「ん?どうした?」

「いや、別に。」


 変な奴だな。なんか機嫌悪くなった?

どうしよう。楓でよく経験しているが女性の機嫌が悪いときはいろいろとまずい。

どうにか機嫌直せないものか・・・。

  

 突然、ポケットの中のスマフォにメールが届いたと揺れた。 


 メールは楓からだった。ん?何でLINEを使わないんだ?

まあいいか。内容は・・・


「……ミント、この後予定あるか?」

「ん、何で?別にないけど。!!――もしかしてデ――」

何か嬉しそうだな。何かいいことがあったのか?


「いや、さっき楓から、

商店街のバーガーショップで待ち合わせしようってきたんだ。

あいつも今日、学校早終わりだったらしい。だから昼飯を・・・どうした?」


急に機嫌が悪そうになった。何で?


「・・・別に。何でもないし。」

「何か怒ってない?」

「・・・別に。」

「いや、怒ってるだろ。」

「別に。」

「いや、でも・・・」

「――殴るよ?」

「ごめんなさい。」

 理不尽な暴力を振るってくるのは楓だけで十分だ。

しかし、何かこの子の神経を逆なですること言ったのかなぁ?



次回 辻家次女が登場。

タイトルは『ライバル宣言(予定)』です。

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