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僕の飼い主と「青の魔道書」  作者: 暦 司
青の魔道書に選ばれし者(1章)
15/30

怒ってる?

 月曜日、ついにその日が来た。

一部を除く学生や社会人にとって、週で最も憂鬱になる日だろう。

休み明けで、また1週間頑張るというのは、やはり面倒くさい。

その前の休日に思いっ切り遊んでしまうと、尚更そう感じるだろう。


 だが、この日に、6時に起きた俺に浮かんだことは疑問だった。

日曜日ってさ、何があったっけ?あと、体中が痛い。


 ……土曜日にもこんなことがあった気がする。


 が、今回の場合は、覚えてることが

ミントに膝枕されていたところを楓に見られたことぐらいだ。


 そこから先の記憶が全くない。

何故かは知らないが楓と口論になった気が……。


 ――そしてこの体の痛み、寝違えたにしては何かおかしい。

まるで、無理な姿勢で長時間、ずっとその体勢でいた後のような……。


 ――また、リビングにいた二人の様子もおかしかった。


 まず、楓はいつものような強気な態度だったが、

いつもと雰囲気が違った。


「昨日はごめんなさい」とか

「兄貴のことはちゃんと信じるから」とか

「体、大丈夫?」とか

意味の分からないことも言ってきた。


 俺が、「昨日のことは覚えてない」と言うと

楓はなんというか、パッと明るくなった。

 

 ……俺、何かしたか?


 ミントに関しては、えっと・・・避けられてる?

俺が話しかけようとすると、俺を無視するように楓と話し始めるし、

俺がミントの方を向くと、明らかに顔をそらすし、

向こうから話しかけてきたと思ったら、

怒っているのか、すこし顔が赤かった。さらに、じっと睨まれた。

昨日まで、俺を紅葉と呼んでいたのに、急にあんたとか言い出したし。

「怒ってる?」と聞いてみたら「違う」と言ってムッとしたし。


 ……本当に俺、何かした?

尻尾は大きく早く振ってるから、やっぱり怒ってるんだろうか?


 ミントが怒っているとしたら理由は、

彼女の外見の話のようにミントに関する地雷を、

俺が日曜日に踏んだとかだったら怖いな。

 

 もしそうだとすると、この体の痛みは、

ミントの制裁を受けたと思えば納得がいく。


 まあ、学校のある朝は7時半に出ないと間に合わないので、

原因の解明は放課後にしようと思う。

後が怖いから、できれば早く原因を解明して

謝っておいた方がいい気がするけど、遅刻するのは御免だ。


 ……そういえば、楓も中学校に行くから

家にいるのはミント一人。大丈夫かな?

 今日の朝ご飯の残りがあるから、

昼食に関しては心配ないだろうけど。


 ――俺のこの心配が、杞憂だったということを、

この後すぐに知ることになるとは、この時は思わなかった。

 

 


 





 



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