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夢からでる真実  作者: 天村真
希望の少年……千都事変
9/18

一心に

長々と休載し申し訳ありません(ーー;)


私用にておやすみさせていただきましたorz






暗い海の底を漂っていたら何かに引っ張られ無理矢理引き上げられるような目覚め。


起きたばかりだとゆうのにあまりにもはっきりとした思考、それが逆に夢を見ているような、そんな感覚。


漂うように窓辺に向かうと風に揺れる黄色いカーテンの隙間から日が覗く。

朝日にしては高いところにある。 時計を見ると十二時少し前を指していた。


カーテンの隙間から外を覗く。 いつもと変わらない、密集し並ぶ同じような建物が日を浴びて輝いていた。

あまりのまぶしさに目を細めそっとカーテンを元に戻した。


「んっ」


ズボンのポケットで携帯が震えていた。

表示された名前は一心のもの。 一時間ほど前から十分おきぐらいでかかってきている。

あまり人と話したい気分ではない、が一人で抱えられる問題だと思っていないのもまた事実。


『あっ!やっとでたな誠』


挨拶もしない一心、そのテンションの高さを煩わしく思う。


「なぁ……」


『俺電話で話すの苦手だから一時間後にセントラルロード前三番広場に集合な』


それだけ言うと了承もなく電話は切られる。

昨日の今日で外に出る気はさらさらない。 それに明日になれば学校で嫌でも会うのだから何も今日でなくともいいと思う。

 しかし一心も昨日あの場に居合わせているのだ、やはり話し合うべきなのか。


さっとシャワーを浴びて着替えると早々に家を出た。






 セントラルロード、正しくはエスケープロード。 それは現存兵力で太刀打ち不可能な規模のアリスの進行が確認された際、人々を逃がすため予備につくられた街へと続く大きな道だ。

 街の中心を真一文字に区切っており、平時は通常の道と同様に使われているが緊急時はバス・車両運搬車などの大型車専用道路となり、その他の車両による通行は禁じられる。

 また避難の際にここに集まる人々を許容するための巨大な広場が随所にあり、人々の憩いの場としても利用されていた。


 この道を基点に歪な円を描く形で直径約15キロメートル、予備の街のある西北から順に居住区、生産区、商業区からなるのが使い捨て型都市《千都》――――

 正確には予備や廃棄された数ある都市の一つで千都はその総称なのだが、もっぱらその時の居住都市を指す言葉として使われている。


その中でも中央から居住区側へ三番目、グレーのインターロッキング・ブロックが敷かれた広場に一心はいた。


週末ということもあり人通りは多かったが、坊主頭がよく目立ちすぐに見分けることができた。 春も中頃だというのにジリジリと肌を焼く太陽から身を隠すように木陰のベンチに座っている。

すでに焼けた肌の一心が日焼けを気にするはずもなく、ただ単に暑いだけなのだろう。 なぜか長袖の服をきており袖をまくってさほど筋肉質でもない腕を晒していた。 いかにも運動部という顔の一心がそれをすると残念さが増す、があえてそれを指摘してやる必要もあるまい。


一心もこちらに気づいたらしく軽く手を上げる。


「よっ!」


 いつもと変わらない眩しい笑顔があった。

 俺はそれに思わず困惑の表情を浮かべてしまう。 わからない、こいつが何で笑っていられるのか。 あんなことがあった後に、なぜ?

 次の瞬間とてつもない虚無感が襲ってきた。 昨日の比ではない恐怖。 自分の生死がかかった時よりも強い恐怖。 人が死んでこんなにも簡単に笑えるのか? 理解が出来ない。 


「なんで……お前は笑ってられるんだ……? 出会ったばかりっていっても人が……死んでるんだぞ?」


 死んでいるの所で少し言葉がつっかえる。

 一心の目がまっすぐにこちらを捉えた。 


「あってすぐ挨拶もなしにそれかよ……」


 くしくも先ほどの電話で俺が思った事だ。


「だってお前!」


「別に俺も楽しい気分じゃないさ。 目の前であんなことがあったんだ」


 一心は笑みを消し揺るぎなき瞳で俺を見据える。


「っ!……なら!」


「でもさ駿美さん、最後に俺達を逃がそうとしたじゃん」


「それがどうしたんだよ!」


 俺は吐き捨てるように言っていた。止まらない、一心が何を言いたいのか理解できない。


「俺は……それを尊重すべきだと思った。 あんな状況で俺達を助ける、そう判断したあの人の心をしっかりと受け入れるべきだと、背負うべきだと思ったんだ」


 やはり……理解できない。


「何だよそれ、そんなの自分を正当化してるだけじゃないのか……? それじゃ駿美さんは生きたいと思わなかったってそう言いたいのかよ」


 そんなはずがない、生きたいという本能はあるはずだろ。 それが本心ってもんだろ、俺達はそれを見捨てたんだよ。


一心は俺を睨みながら言う。


「そうはいってない。 あの人は生きたいって本能より俺達を優先したんだ。 俺はそう決断したあの人の意志を尊重する、そういってるだけだよ。 だから俺はあの人にもらった今日をちゃんと生きたいって、あの人が命がけで守った日常を大切にしたいって思ってる」


「そんなの……」


 なにが正しいんだ? 生きたいという衝動か、それとも死を覚悟してもそれに立ち向かうだけの意思か。 昨日から自問しているが俺には分からない。 一心はそれに答えを出したのかもしれない、しかし俺にはその答えが出てこない。


 暗い空気が二人を包む中、サイレンのけたたましい音が耳を打った。続いて聞こえてくるのは女性型の合成音声。


――――居住区A3エリアニテALICEノ出現ガ確認サレマシタ。 当該地区付近ノ皆様ハタダチニヒナンシテクダサイ。 クリカエシマス。 居住区A3エリアニテ――――


「A3エリアってすぐ隣じゃないか」


 近くにいたおじいさんが嘆くような声で呟く。つられて付近にいた人々がついに状況を理解したのか次々と叫び声をあげ走り散らす。


 そんな中二人は見た、滑らかに輝く鱗を太陽に照らしながら屹立する巨大な影を。

 見覚えのある、否、昨日から目に焼けついてはなれないその巨大な影は、太陽を飲み込まんとばかりに身体を伸ばし空をうかがっていた。


 二人はまだ知らない、これは千都を揺るがす巨大な事件の始まりに過ぎないことを……







久しぶりでただでさえなかった文章力がさらに落ちた気が……


それでも続けますけどね!!


ごめんなさい調子にのりましたorz

のれる調子もないのにのりました、本当にすいませんorz


これからはまた三日一で更新する予定です、次は22日を予定しておりますのでお楽しみに!

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