第六話 第五部 アイドル同好会のチア
真希「次はアイドル同好会に挨拶だね。」
アイドル同好会というよりは本物のアイドルがいるだけなのだが…。どんなことをしているのだろう。私たちのことを考えて練習してるのだろうか。それとも仕事のための練習だろうか。
コンコン
瞳「失礼します。」
扉を開けると音楽が廊下に響き渡るように流れてきた。
優衣「キミの心の扉はそこにある~♪」
由紀「お、歌ってる。」
上手い。なんて上手さだろうか。他の二人も安定した上手さで披露している。今は仕事の練習だった。
瞳「わああ!」
パチパチパチパチ……
歌を終えたと同時に私たちは拍手した。あれを見せられては拍手せざるを得ない。すばらしい練習が終わると優衣は私たちに気づき近づいてきた。
優衣「みんな来たんだね! 大会頑張ってね。」
亜弓「こちらこそ。よろしくね。」
香澄「私、スノーフェアリーで一緒にやっています、宇野香澄です! よろしくねっ!」
久美「私は泉久美といいます。よろしくおねがいします。」
二人ともとても礼儀正しく挨拶した。これぞアイドルの鏡みたいな感じがする。きっとこれからも人気を出して世界的に有名なアイドルになりそうだ。
亜弓「私、がんばるよ。」
突然私は気合をいれるように言った。だってこのような人たちに支えられているのなら私は最高のパフォーマンスをしなければならない。皆に見せるんだ、最高のピッチングを!
優衣「あ、そうだ! チアガールの練習もやっていたんだけど、見てくれる?」
由紀「えっいいの!? 見せて見せて!」
由紀がワクワクしながら腕をブンブンと振り回している。確かに楽しみだ。しかもスノーフェアリーのチアを見るのは私たちが始めてかもしれない。優衣たちがボンボンを持ち始めて整列した。
優衣「せーのっ!」
ファイトー! 亜弓! A・YU・MI!
うわっ、とても上手い! さすがアイドルやっているだけあって息ピッタリ、声良し、ダンスも良し。文句のつけようが無い出来だ。でも自分の名前が呼ばれるのはちょっと恥ずかしい気分だ。こんなの見せられたら試合で良い結果を出さなければ。
由紀「頑張ろう。」
由紀が私の肩をポンポンと叩いた。由紀の顔を見ると笑顔と真剣さが混じっていた。いよいよ明日から地区大会が始まる。