第六話 第四部 すごいもの同士
真希「ねえ亜弓。」
昼休みが始まると真希と瞳が椅子を持ってやってきた。由紀は自然と机を私の方に向けた。
亜弓「どうしたの?」
私は真希の方を見てから予測した場所に手を伸ばし、弁当の箱を手に持った。
真希「今日吹奏楽部とアイドル同好会に挨拶しに行こうとおもうの。」
由紀「いいね! でも吹奏楽部は分かるけど、なんでアイドル同好会にも? それにいつの間に出来たんだね。」
瞳「スノーフェアリーの三人が作った同好会だよ!」
由紀「そのまんまじゃない!」
亜弓「でもチア部だって挨拶あるんじゃないの?」
真希「ちょうど大会がかぶっていてね。四・五回戦からは出れるらしいからその時に挨拶しに行こうと思っていてね。」
由紀「なるほど、食べ終えたらいきすか。」
昼食を食べ終えた私たちはお話の予定場所となっている吹奏楽部の部室前に移動した。すると、部室前に二人の女性が立っていた。
真希「あ、蓮沼先輩。」
蓮沼「こんにちは。これで一年生全員?」
真希「はい。」
な、なんて美しい人なんだろう。髪もさらさらして高嶺の花のイメージが合いそうな女性だ。私よりも身長が高い。
蓮沼「私が部長の蓮沼よ。よろしくね。」
由紀「よろしくです。羽葉由紀です。」
蓮沼「由紀ちゃんね、よろしく。」
亜弓「あ。」
由紀「ち…ちゃんは入れなくて大丈夫です! 恥ずかしいです!!」
蓮沼「ど、どうしたの?」
瞳「由紀はちゃんと呼ばれるのがなれていないのです。」
蓮沼「そうかぁ…かわいいなあ。」
由紀「あうわぁ……。」
プシューーーーーー
亜弓「あ、落ちた。」
蓮沼「あらら…。申し訳ないことしちゃったね。それと…あなたが日高亜弓よね。」
亜弓「え? 知っているんですか?」
蓮沼「もちろん! けっこう有名だよ、学校内では。」
亜弓「そんな、私なんてぜんぜん。」
瞳「人気だよー。すごいじゃん。」
亜弓「ソレを言うなら瞳の方がすごいじゃん!」
橋風「ふん、アナタたちなんてまだまだよ。」
部室から出てきた女性が強気な口調で私たちに言ってきた。
蓮沼「こら橋風、この人たちは挨拶しにきているのよ。」
橋風「なんで私が泥臭いような人たちとお話ししなきゃならないのよ。」
瞳「なによそれ! キミは橋風だよね。音楽がすごいできるからっていきがっているんじゃないよ!」
橋風「そんなあなたは瞳よね! 柔道でバンバン投げているだけじゃ脳筋しか発達しないわよ!」
瞳・橋風「ぬぐぐぐぐぐ……。」
亜弓「瞳おちついて。」
蓮沼「こら、やめなさい。」
由紀「二人とも、結局はすごいんだから。争う必要なんて何処にもないよ。」
瞳「そ…そうよね。ごめん。」
橋風「ふん、すまなかったよ。」
バタン!
蓮沼「あー…ごめんね。あの子気難しい子だから…。」
橋風…ああ見えてものすごく真剣な目をしてた。きっと音楽に対する情熱はすごいのだろうな。