第六話 第三部 抽選会!
その四日後
抽選会場
日下部「準備は良いか?」
府中「抽選ですね。それでは入ってきます。」
ガタッ
三由「監督、今年の甲子園は例年より暑くなりそうですね。」
日下部「そうだな。選手の体調管理はしっかりたのむぞ。」
三由「まかせてください。今年こそ甲子園で優勝させてみたいですね。」
日下部「甲子園で優勝するなんて誰だって考えている道だ。そんな中をあいつらは勝ち抜いていかなければならない。俺は勝つための指示を出すことが一番の仕事だ。それと選手の実力をしっかり引き出すことも必要だ。」
三由「大変ですよね。私もしっかり働きます。」
学校にて
芦毛「どこになるのだろうな。」
卜部「何処が来たって俺達がしっかりやれば勝てるさ。」
ザワ…ザワ…
皆が部室内で芦毛先輩の携帯を見つめている。ものすごい集まりだ。
亜弓「由紀、抽選会ってうちらシードだよね。」
由紀「そうだよ。でもそのブロックが良いか悪いかも気になることろだし。」
亜弓「そうなのか…。」
ピロロン
芦毛「お、きたぞ!」
皆「おおお!!」
メールが届いたらしい。
芦毛「Bシードだ。随時対戦相手などが決まったら報告すると。」
栗山「Bシードか。」
亜弓「いよいよだね。」
由紀「うん。がんばろう。」
抽選会場
95番、春日部工業。
日下部「お疲れ様。俺は用事があるから先に失礼するぞ。」
府中「わかりました。後で対戦相手の報告をさせていただきます。」
三由「うふ、可愛い男子たちがいっぱいだね。」
府中「こら、ここにきてそんなことするんじゃねえ。」
三由「だってぇ~。」
46番、吉川西高校
三由「あ、決まったよ。」
府中「吉川西か。メール打たなきゃ。」
48番、埼玉明治高校。
府中「ん?」
三由「まさか…埼玉明治高校が近くに。」
府中「これ…勝ち進んでいったら二回戦で当たるぞ。」
三由「気合…入れていかないとね。」
府中「そうだな。ここまで決まったならもう出るぞ。」
三由「あ、うん。」
府中「それと蒔苗。」
三由「何?」
府中「必ず甲子園つれてって見せるからな。」
三由「う…うん。 (な、何今ドキッとしたの? え? なんなの!?)」
ピロロロン
芦毛「お、また来た!」
栗山「今度はなんだろう。」
芦毛「初戦は吉川西高校だってよ!」
海鳳「おお! やってやるぜ。」
芦毛「まじかよ!?」
亜弓「えっ?」
皆が一瞬静まり返る。そして芦毛の顔色を見ると険しい表情に変わった。
芦毛「二回戦にいけば…おそらく埼玉明治と当たる。」
皆「えぇ!?」
埼玉明治高校。甲子園にも出場している強豪高だ。まさかこんなところで当たるなんて…。おそらく総力戦。周りからみれば死のブロックになるだろう。
由紀「いいじゃん。強い相手ほど先に倒してしまえば楽だよ! みんな元気だしていこう!」
由紀が元気な声で皆を勇気付けている。
友亀「そうだな。やってやるぜ!」
池之宮「俺が打てば良いことだろ。」
中山「お前だけじゃねえぞ。俺だっているぜ。」
卜部「絶対後ろにはそらさせねえぞ。」
皆気合が入っている。誰もがそうだ。勝ちたい気持ちで一杯だ。私だって負けないぞ!