第五話 第三十三部 回宣告
ベンチに戻ると深沢コーチが待っていた。
深沢「日高ナイスピッチング。次の回の途中で交代だ。いけるところまで投げてみろ。後ろは館川がいる。頼むぞ。」
亜弓「はいっ!」
次の回まで。七回の途中で交代ということになる。気を緩めずにしっかりやっていかなければ。
この回は八番の友亀からだ。私はその次の打席だから準備をしなくてはいけない。私は額の汗をぬぐいながらバットとヘルメットを取った。
キィーーーン!
えっ、もう打ったの? だけど打球はセカンドゴロ。綺麗に取られてファーストアウトとなった。次って私だ。いそいで準備しなければ。
次は私だ。相手の投手はまだまだスタミナがありそう。それが私との大きな違いだ。羨ましい。でもそんな選手が甲子園に行けばゴロゴロいるんだろうと考えるとぞっとする。いや、今は相手の投手に集中することが専念だ。
シューーーバシン!
ストライクワン!
やっぱり早い。ここはどうやって攻めるべきか。ストレート一択で打つしかない!
シュゴーーー
来たっ!
キィーーーン!
塚和「センター!!」
けっこう良い当たりがセンターまで跳んでいった。しかし、簡単に捕られそう。センターが落下地点に入って捕球した。
パシン! アウト!
当たりは良かったものの、アウトになってしまった。




