第五話 第三十一部 ダイビングキャッチ
由紀「ドンマイドンマイ! 気を落とさずに! まだ1点しか取られてないよ! リラックスしていこう!」
由紀が声をかけてくれた。ものすごく嬉しい。由紀が声をかけてくれなければ。いや、由紀がいなければ私は今頃崩れ落ちていただろう。まだ私には全力で最後まで投げきらなければならない使命がある。だから私は逃げない!
次は9番の新田だ。さっきの当たりでランナーは3塁。ノーアウトだから何がおこるか分からない。気を引き締めていかなければ。
塚和「(スクイズだ。)」パパッ
設楽「(絶対ホームインしてやる。)」
新田「(まかせろ。)」
友亀「(よし、高めのストレートで相手の勢いで釣らせよう。)」
サインは全力ストレートを高めに。ボールになってもいい。思いっきり!
サードランナーコーチ「ゴォ!!!」
ダッ
あっ、サードランナーが走る。スクイズだ!
シュゴーーーー
友亀「(この球なら!)」
新天「(上がったら飛びつく!)」
新田「ぐっ!」
コキン!
これは小さなフライ。しかし突っ込んできた新天と池之宮が飛びついても届かない! これは安全にファーストに…。
友亀「らぁあああ!!」
ズザァアアア
友亀が飛びついた。そしてグローブにはボールがおさまっている。
アウトーー!!
新天「サードだ! 米倉カバーだ!」
米倉「任せろ!」
シュッ!
友亀が送球する。ランナーは急いで戻る。これは間一髪のプレーになりそう。
ズザザザバシン!!
……アウトッ!!
友亀「しゃああああああああ!!!」