第五話 第三十部 読み合いの末
友亀「(アイツの球は決してものすごく衰えて来ているというわけではない。コントロールがずれてきてフォームが見えやすくなったのはわかるが、さっきのは構えたところにドンピシャだった。俺のリードのせいか? あんなに簡単に打たれるなら絶対そうだ。とにかく攻め方を変えなければ。変化球で打たせて捕るやり方はまだ試してない。だから変化球をなげさせる。)」
設楽「(たしか塚和が言うにはさっきの打席でストレートが来て、もし俺が打てたら設楽の初球に投じるのはゆるい変化球だ。といってたよな。アイツのいうことを信じてやってみるか。)」
次は注意すべき八番設楽だ。でも後ろには守ってくれる人たちがたくさんいる。私は自信を持って投げるだけだ。弱気になるな、私! えっと…サインは。スラーブを外角ギリギリへ。よし、ゲッツーをとって楽にしたい!
グググググッ
設楽「(来たっ!)」
キィーーーン!!
友亀「(またタイミングを綺麗に合わされた!?)ライト!!」
打球がグングンとライト方向に伸びていく。沖田がボールを追う。やめて、ファールになって。
ポテン フェア!!
牛田「よっしゃ塚和回れ! ホームだ!」
坂田「ナイスバッチン!」
打たれた。しかも完璧に。もう、だめかもしれない。ここからドンドン打たれそうな気がする。いくらリードが良くても私の球がダメになってきたらもう使い物にならない。ランナーがドンドン回っていく。いくら沖田の肩があってもこれだけの距離じゃホームはさせない。一塁ランナーがホームに帰って一点。5対1になった。




