第二十五話 第五部 可愛そうな由紀
亜弓「あはは…大丈夫?」
由紀「無理…もうあんな所、絶対に行かない。」
由紀は涙を流しながらお化け屋敷から出てきた。というか…本当に嫌いなんだなぁ…。
千恵美「なんか…その…悪いことしたわね。」
由紀「もういいですっ!!」
恵美「やっぱり可愛いわね…。」
由紀「可愛くないですから!!!」
由紀は激怒している。それに泣いている。そろそろ…助けてあげないと。
亜弓「大丈夫だよ…もう大丈夫だから。」
由紀「ありがとう…もう…平気。」
瞳「お母さんみたい。」
私、お母さんみたいじゃないんだけど。そんなことを思いながらやさしく由紀を撫でる。まあ、口には出さないけど…ごめん、やっぱり由紀はかわいい。
理恵「やほーい!」
亜弓「あ、理恵。」
理恵「うちのクラス、焼きそば作っているのだけど、食べてく?」
由紀「たべる!!」
瞳「もち!!」
理恵の言葉を聞いた瞬間、あれだけ泣いていた由紀がいきなり元気になった。このテンションの変わり具合は一体何なのだろうか。でも…これならまだ楽しんでいけるはず。
理恵「そんじゃ、私が作るからまっててね!」
そういって理恵が調理場所へと向かっていく。大丈夫…かな?
理恵「じゃあ作っていきましょー!!」
「任せたよー。」
ジューー
そういって理恵が料理を作り始める。手馴れた手つきだ。いや、まって。これ本当に上手すぎかもしれない。熟練の人にしか出来ないような感じの手つき、すごすぎる…。
由紀「お化けのことなんて忘れるぐらいすごい上手ね。」
真希「ヴぁあああ…。」
由紀「いやぁああっ!! や、やめてよ!!!」