第五話 第二十八部 気づいたこと
由紀「イェーイ!!」
塚和「はぁ!?」
由紀の放った打球は軽々とセンター前に。もちろんだれも取れることもなくセンター前ヒット。これで猛打賞。もはや由紀を止められる人は誰一人といないのではないのだろうか。
由紀「亜弓! 見てた? 打ったよ!」
見てたよ。でも試合中にそれはちょっと恥ずかしいよ。元気がものすごくあるのは良いことだけれども。
相手の選手たちは唖然とした様子だ。投手にいたっては心の中で「解せぬ」とでもいってそうだ。由紀は野球センスの塊みたいだ。
由紀の次は七番の米倉だ。彼の打撃も見たいけれどもキャッチボールを始めなければならない。私は友亀のかわりに控えキャッチャーの角田とキャッチボールを始めた。
バシーーン
角田「日高、そういえば一回のときより構えたところにボールがこなくなってるぞ。」
亜弓「えっ?」
角田「ノビとか球の球威は落ちてないけど少しずつ投げ方もボールが速く見えるようになってるよ。もうひとつ言えば球の離す位置も。」
バシーン ストライクバッターアウト!
角田「チェンジになったぞ。あと一・二回、踏ん張れよ。」
そういって角田はベンチへと戻っていった。今言ったことは本当なのだろうか…。