第五話 第二十七部 フォークボール
次のバッターは五番の新天。池之宮はアウトにはなったが当たりはよかった。これなら新天もまだまだ打ってくれそうだ。
ググッ ブン! バシン!
ストライクワン!
新天「(初球からフォークか。)」
新天はフォークを空振りした。あのフォークを打つのはまだ厳しいだろうか。
ググッ トッ パスッ
ボール!
今度は大きく外れたフォークがワンバウンドになった。曲がりはすごいけど、まだまだコントロールが上手くいっていないみたいだ。高めからのフォークがきたら新天なら打てそうだ。
ググッ
塚和「しまった。」
キィーーン!
鋭い打球がサード方向へ。
大島「だぁあ!」
ガスッ
サードがグローブにボールを当てたあと、ボールを体でとめて前に落とした。グローブに当たる際に打球を殺していたようだ。
牛田「ファーストだ! まだ間に合う!」
新天が全力疾走でファーストに向かう。しかし打球が早かったため、送球も早くなげられてしまった。
バシン! アウト!!
これでツーアウトだ。なんとも惜しいところでやられている。これは悔しいところでやられてしまってる。だが次は由紀だ。由紀ならどんな球が来ても打ってくれるはず。由紀なら期待が持てる。
由紀「よっしゃああ!!」
由紀が大きな声で叫ぶとゆっくりと構えた。あそこまで気合が入っていれば打てるだろう。
塚和「(初球からフォークだ。)」
牛田「(まかせろ。)」
牛田が大きく振りかぶる。
シュッ ググググッ
今までの中で一番落ちるフォークだ!
カキィイイン!!