第二十三話 第四部 全力で走れば
100m走決勝
篤史「っしゃああ!」
すべての競技の決勝ブロックが始まった。最初の100m走は圧倒的な差を広げて新山が勝った。わかっていたというか、驚きを隠せないというか。いきなりこの時期にやってきてコレだけの結果を残している。周りの人たちから見れば恐ろしいばかりだ。
由紀「いぇーい!」
由紀も一着でゴールインした。さすがに他の人たちも速いけれど、スタートが誰よりも良かった。盗塁が上手い理由がこのスタートダッシュにもあるのだろうか。由紀に負けないように私も…。
亜弓「決勝、頑張らなきゃ。」
私は気合を入れて決勝ブロックの試合に臨んだ。先生に指示されて私はレーンに並んだ。周りは速い人たちばかり。私が出来ることをやれば…!
「よーい!」
バァン!
私は予選と同じように全力でスタートダッシュを決めた。先頭に立つけど後ろからもう一人ついてくる人がいた。私はいつものように走っていく。最後の直線に入って全力で走る。後ろにいた人たちが横へと並ぼうとするけどまだ追い抜いてこない。しかし大外からもう一人、体力を温存していた人がやってきた。まだ…走らなきゃ!
亜弓「っと!」
由紀「おお! やったよ亜弓、二着だよ!」
由紀の声で着順がわかった。最後に私は差された。だけどこのメンバーの中でこの好成績なら十分に誇れる。後は最後のクラス対抗リレーだけ…!




