第二十三話 第三部 最初から全力で
亜弓「すごい…。」
私は新山に見とれていた。圧倒的な力差で一位になった。しかし誰も寄せ付けない走りは圧巻だった。なによりも陸上部のエース級よりも速いなんて…。
理恵「あ、そろそろだね。」
理恵が声をかけてきた。そうだ、私の出番もやってくる。しかも次だ。負けないようにしないと…。
理恵「といってもねー。私、走るより泳ぎたいのだけど。帰っちゃだめ?」
亜弓「いや、さすがにそれはマズいと思うよ…。」
そんな会話をしながら私はスタートラインにたつ。横を見ていると走り終えて他の人たちと合流していた由紀たちがいた。瞳も準備をしながら見ていた。
「よーい!」
パァン!!
スタートの合図が鳴らされた。私は思いきって走り始めた。理恵も同じように最初から飛ばしていた。他の人たちは後ろである程度の体力を残すために力をセーブしている。だけど…あの時みたいに、瞳と合宿で走った時みたいに最初から飛ばしていけば…届かないはず!
理恵「(同じ考えみたいだね…。でも何なの? なぜそんなにも速いの? 私だって思いっきり走っているのに!?)」
理恵は少しずつ私の横から真後ろへと下がっていく。私はひたすら思い切り走っていく。そんな間にもうゴールが見えてきた。後ろからは何も来ない。理恵が後ろについてくるだけ。でも追い抜いてくる気配はない。最後まで…思いきり!
亜弓「っと!」
真希「やった! 亜弓が一着だよ!」
私は一着でゴールインした。すぐに理恵もゴールインし、後ろから追い上げてきた陸上部の人が三着になった。思い切り走った結果が出た…!
瞳「いえーい!」
由紀「圧勝だね。」
長距離走、私達、野球部は誰もが予想していた瞳が圧倒的な力でゴールインした。他の種目は陸上部やサッカー部などが上位を占めていた。けど…私達のクラスは負けていない。決勝ブロックが始まれば最後の点数を決める戦いも始まる…!




