第二十二話 第十九部 好きだから
ギィーーン!
篤史「ふぅ…。」
新山のバッティングが終わった。すべての球を良い当たりで終えていた。これだけ出来るのだから、スタメンにいてもおかしくないのに…。
篤史「はぁ…やっぱ疲れるね…。」
真菜「そうなるのね…。」
篤史「真菜さんのせいではないですから。あ、ちょっとトイレ行ってきます。」
そういって新山はトイレへと向かっていく。新山の様子は…いたってどこも変わっていなかった。いつもの練習で疲れている様子をみているから、いつものように見えてしまう。
銀杏「あ、先に私打ってきますね。」
そういって銀杏がバッティングゲージへと入っていく。
真菜「ねえ、亜弓?」
亜弓「はい?」
真菜「もしかして篤史のことが好き?」
亜弓「……うぇえ!?」
佐奈「えー、そうなの。どこを見て好きになったの?」
二人からなにかと茶化される。けど…たしかに好きだという気持ちはまったく変わらない。
亜弓「…一目惚れです。」
真菜「そうなのね…。いいじゃない。私は応援するわよ。」
亜弓「えっ?」
真菜「あの子は昔から私達が守ってきたし、その時は好きだったわよ。でも今は見守っていたいという気持ちの方が強いわね。」
佐奈「あの頃は私と真菜姉で喧嘩していたのよね。でも…今は私も同じ気持ち。頑張ってね。」
亜弓「は…はい!」
私はまさかの返答に驚いた。私の…恋を応援しているのだろうか。そして私が好きだということを知っていたのだろうか…。いや、気づいたのかもしれない。でも…言ったからには…頑張らないと…!




