第二十二話 第十三部 久しぶり
篤史「さてと、ついた。ここから少し歩くけどいいかな?」
亜弓「うん、大丈夫だよ。」
私は新山と共に歩いていく。ここから五分がその目的地になる。東京だけど…一体誰に会うのだろうか。東京の方が会いやすさで言えば一番良いけど…。
篤史「おっと、連絡来たかな? 日高、もういるみたいだから向こうに着いたらすぐにお店の中にはいるよ。」
亜弓「わかった。」
もうすでにいる…すごく気になる。私のためにもなる人との会話、なんだかワクワクしてきた。そんなことを考えているともう目の前に目的地のファミレスが見えてきた。
篤史「さてと…。」
新山についていくように歩いていく。店の中に入ると良い感じの音楽が流れていた。そして店員がやってくる。
「いらっしゃいませ。お二人様ですか?」
篤史「いえ、二名入っているので合流するところです。」
そういうと店員が離れてお辞儀をする。新山が店の中を歩くと見つけたのだろうか、手を上げて軽く会釈をした。私は新山の見ている方を見る。
亜弓「えっ……。」
信じられなかった。目の前にいたのは椎葉真菜さんと佐奈さんがいた。なぜあの二人がいるのだろうか。タメになるって…まさかこの二人のことだったのだろうか。
篤史「真菜姉さん、佐奈姉さん。お久しぶりです。」
佐奈「久しぶり! 元気そうね。…野球できるようになったのね。」
篤史「はい、おかげさまで。」
真菜「ありがとう…、戻ってきてくれて。」
篤史「真菜姉さん。そんな謝らなくていいですよ。それよりも日本ですごい結果を残していると聞きましたよ。」
新山は真菜さんと佐奈さんと親しく会話をしていた。しかも姉さんって…いったい何なのだろうか。もしかして…血のつながりがあるとか…。だとしてもまったく苗字や名前の共通点が無いし…。
佐奈「あれ…亜弓?」
亜弓「どうも…お久しぶりです。」
真菜「チームメイトなのね。」
篤史「はい、エースの日高亜弓です。」
亜弓「そんな、エースだなんて…。あ、でも私はこのお二人と面識ありますよ。」
篤史「そうだったのか。すまないね。」
私の言葉に新山は謝った。私は新山の隣に座った。なんだか…ここだけでものすごい雰囲気を感じる…。こんな人たちと会話をするなんて。
篤史「とりあえず、何か食べましょう。ゆっくりお話が出来ることですし。」
真菜「そうね。佐奈、メニューとって。」
佐奈「はい。あ、亜弓にも。」
亜弓「あ、ありがとうございます。」
私はぺこぺこしながらメニューをもらう。新山って…こんなにすごい人だったなんて…。




