第二十二話 第二部 頼もしい仲間たち
由紀の名前が呼ばれた。今度は十八番ではなく、レギュラー番号の七番で呼ばれた。由紀は嬉しそうな顔で背番号をとりにいく。由紀、良かったね。
日下部「八番、海鳳! 九番、中山!」
ライトの背番号は中山先輩が呼ばれた。沖田さんは控えになるのだろうか。そしてベンチ入りメンバーが発表される。
日下部「十番、館川!」
館川「はいっ!」
館川の名前も呼ばれる。これからは…二人でエースとしてチームを引っ張っていかなければならない。館川も…自覚しているはず。
日下部「十一番、沖田!」
沖田の名前も呼ばれた。ベンチ入りメンバーになる人たちはどんな気持ちでいるのだろうか。
日下部「十二番、柳本!」
柳本「は、はい!」
皆「おおぉ…。」
皆が驚いていた。新チームになってから二年生の代打の中心として活躍を見せてくれた先輩が念願の背番号を受け取っていた。何かコツをつかんだおかげでバッティングが良くなったのだけど、コツをつかむだけでもあんなによくなるなんて…。とにかく心強いメンバーが増えてくれた。
日下部「十三番、伊沢!」
伊沢「っす!!」
伊沢の名前も呼ばれた。アレだけの足があるなら武器になってくれるはず。仲間に頼るだけじゃなくて…私も強くならないと。
日下部「……以上だ!」
監督が背番号を読み上げた。夏、背番号をうけっとっていた人がいなくなったり、スタンドから見ていた人たちがベンチ入りした人たちもいる…。この新チームで…勝ちにいかなければ…!
日下部「さてと、キャプテン。 最後に一言。」
栗山「はい。甲子園に戻るために、大会は絶対に勝ち抜くぞ! そして…優勝旗を持って帰るぞ!!」
皆「おおっ!!」
私は力強く手を握った。これから…秋大会本番が始まるのだから…!




