第二十一話 第十一部 二人なら
暁美「由紀はいる?」
由紀「どうしました?」
グラウンドを整備した後、暁美さんが由紀に声をかけていた。
暁美「なぜホームランを打てたの?」
暁美は不思議そうに聞いてきた。由紀も考えている。たしかにあの時は由紀自身も驚いていた。けど由紀はにっこりと笑う。
由紀「今回のバッティングは当てることよりも、遠くに飛ばすことを意識して振っていきました。それと…。」
由紀は私の肩をポンポンとたたいてニコッと笑った。
由紀「やっぱり亜弓がいるからこそですね。」
亜弓「えっ…私のおかげって…。」
私は暁美さんの顔を見る。暁美さんは私たちの顔を見て笑っていた。
暁美「あははっ、確かにそうだね。今日の亜弓は冴えていたし、由紀も私のボールに対応するし、負けられないね。公式戦では勝ち負けつけようね。もちろん絶対に負けないけど。」
亜弓「私たちだって負けません。」
そう挨拶すると私は暁美さんと握手をした。私が終わると由紀も握手をする。これから暁美さんとは公式戦でも戦う可能性がある。もし…当たったら、何が何でも勝ちにいかなければ。
篤史「(あのチームは本当に強いな。ワンマンチームでもないし、皆のレベルが高い。復帰した後は覚悟して戦いにいかなければ。)」
日下部「さて、全員片付けが終わったら反省会、ミーティングだ。今日のうちにしっかりと復習するぞ!」
皆「はいっ!」
秋の大会ももうすぐ。今から…出来る限りこのチームを最高の形にしていかなければ。




