第五話 第二十五部 万能由紀。
次は五番の野口だ。五番もパワーのあるタイプがいるはず。ここでも注意して投げなければ。
野口「(ストレートは意識早めに意識するようにって設楽が言ってたっけな。やってみるか!)」
友亀「(ここはストレートで抑えるほうが相手に苦手意識をつけることができる。日高、踏ん張りどころだ。)」
次もストレートを低めに。打たれる気がするけど後ろが守ってくれる。だから信じて投げるだけ!
シュゴーーーー
キィイイイン!
野口「しまった、上げすぎた!」
友亀「サード!」
打ち上げた打球はサードフライに。新天が落下地点に入る。
パシン アウトー!
これでワンアウト。ストレートがタイミングとられてきたとしても、こうやって抑えることはできる。三振が取れるときは三振を狙うピッチング、それ以外は全力で投げて、守備に任せる。これでがんばろう!
次は六番ピッチャーの牛田だ。
牛田「よっしゃああああ」
人一倍に気合が入っている。これは私も気持ちの中で気合を入れなければ。
シューーー ブン! バシン
ストライクワン!
すごいスイングだけれども大振りになっている。これなら抑えられる!
グググッ ブシィ! バスン
ストライクツー!
変化球には全くタイミングが合っていない。これで追い込んだ。
牛田「(冗談じゃねえ。ここで凡退だったら俺はチームの足を引っ張るだけになってしまう。やるしかねえんだよ!)」
次はストレート。低めに!
シュゴーーー
牛田「うらっ!」
カキィーーーン!
友亀「なっ。」
鋭い打球は私の足の近くを通ってセンター方向へ。
由紀「しょっ。」
シュッ パシィン!
だ、ダイビングキャッチ! しかも明らかに軽く飛んだ感じだ。
由紀「米倉!」
米倉「おう!」
由紀はグローブをポンと叩いた。これは、グラブトス! 綺麗に米倉のグローブにおさまると米倉はすかさずファーストに投げた。
バシン! アウト!!!
牛田「くそっ!!! (最悪だ!)」
友亀「ナイス羽葉!」
亜弓「由紀、ありがとう!」
由紀「これぐらい任せろって!」
ゲッツー、これでスリーアウトチェンジだ。由紀のプレーは本当に光るものがある。もしかしてプロもいけるのでは…。