第二十一話 第八部 ボール球でさえ
暁美「(さてと、本当にそろそろ点を取らないとまずいわね。)」
暁美さんがバッターボックスに入る。やはりバッターとしてもこの威圧感はすさまじい。二刀流なんて簡単に思えてしまうほどの実力は持っている。だけど…ここで抑えなければ…突破口は開けない!
シュゴオオオ バシン! ボールワン!
友亀「いいよいいよ、ナイスボール!」
暁美「(なんとなくのイメージはついた。ストレートは今なら…叩ける!!)」
大きく深呼吸する。一球一球が疲れてくる。だけど疲れていたって…抑えなければいけないのはかわらない。ストレートなら私だって…!
シュゴオオオオオ!
友亀「(高め…またボールか。)」
暁美「(振りにいけっ!!)」
ギィイイイイイイイン!!
新天「なっ!?」
亜弓「うそっ…!」
友亀「レフト!!」
打球は勢いよくレフト方向へと飛んでいく。ボール球だったはずなのに、手を出していった。しかも…ジャストミートで。
由紀「(ちょっと、これはまずいんじゃ…!)」
ポーン!
暁美「っしゃあ!」
瀧澤「ナイスバッティング!!」
ホームラン、こんなにも簡単に打たれるとは思ってもいなかった。しかも高めのボール球をあそこまで持っていかれるなんて…。
海鳳「(おいおいやべぇぞ。)」
池之宮「(こっちはヒット一本も出てない。)」
篤史「(一打席以外三振に押さえ込まれている。これは非常にまずいかもしれないな。)」
暁美さんがホームを踏んでホームイン、先取点は富良野学院に取られてしまった。




