第二十話 第四十六部 亜弓の恋
亜弓「こ…恋?」
瞳「だって、あの人と一緒にいて嫌な感じはする?」
亜弓「いや…そんなのはない。むしろあったかいというかやさしさというか…。」
真希「…一緒にいたいってこと?」
亜弓「……うん。」
私は自分で言っておいて恥ずかしくなってきた。でも…そんな感じで話しているうちにだんだんと分かってきた。私はきっと…新山に一目惚れをしてしまったのだと思う。けど…この気持ちをどう伝えれば良いのか…。そして由紀にはどう伝えれば良いのだろうか。
真希「でも…あまり表にしない方が良いと思うよ。もし何かあるのなら亜弓から新山に伝えていくべきだと思うの。」
亜弓「表にしない?」
瞳「野球部で彼女がいる人はいると思うの。だけど、由紀はあまりそういう体勢は無いと思うし、それにもしそういうのがあったら…二人の距離が離れていく可能性もあるから…。」
亜弓「そっか…伝えるなら…新山にだけ…。」
私にそんなことが出来るのだろうか。いずれバレる可能性だってあるかもしれない。けど…早く伝えないと、私の気持ちを分かってくれるかどうか。そしてあの人に彼女が出来る前に。
真希「でも…亜弓なら大丈夫だよ。ちゃんと思いを伝えれば。でも…段階は踏んでいこうね。」
亜弓「うん……ありがとう。」
私はドキドキする胸を押さえながら笑顔で返す。そして由紀が戻ってきた。由紀…でも気になる。由紀は新山のことをどう思っているのだろうか。




