第二十話 第三十九部 勝つために
ユラッ
海鳳「ちっ!」
ギィン!
エヴリン「センター!!」
バシン! アウト!
エヴリンの投球はさえている。ナックルボールはとても同じ高校一年生とは思えない。いや、プロでもこんなナックルボールを投げる人はいない。さすがのピッチャーというべきだろうか。
バシーン! ストライクバッターアウト!
館川「っし!!」
館川も調子を上げてきている。館川に打たれさえしなければこの試合は負けることはない。
バシーン!
ストライクバッターアウト! ゲームセット!
館川「っしゃああ!!」
友亀「ナイスボール!!」
試合は1対0で勝つことができた。同時に課題も出てきた。打線がなかなかつながらないという大きな弱点が出来てしまった。秋大会までの時間は少なくなってきている。この短期間でどうやって直していくかが必要になってくる。
茜「さすがだね、負けたよ。でも…次は勝つからね。」
エヴリン「また、やりましょう。」
亜弓「はい、やりましょう。」
エヴリンと茜は私達と一緒に笑っていた。私は振り返って由紀と共に戻る。由紀は私に手を差し出していた。
由紀「ナイスピッチング。」
亜弓「ありがとう。次も頑張るよ。」
私はベンチへと戻っていく。上ではベンチ外の選手やマネージャーの仲間たちがいた。出れない人たちのためにも…これからの試合は…!
エヴリン「練習試合、だけどね。やっぱ…。負けると、悔しいね。」
茜「そうね…。甲子園に出るためにはもっともっと…強くならないと。」




