第二十話 第三十六部 三種類のフォーク
バシーン! ストライクバッターアウト!! チェンジ!
亜弓「っし!」
ここまで七つの奪三振をとった。三振を取る投球をすると三振を奪える。投げていてとても気持ちが良いと思った。コレが力配分を考えた投球が出来たらもっと良いのだけど、そう簡単にいけるわけがない。少しずつ、頑張っていかないと。
由紀「お願いします。」
バッターボックスには二打席目を迎えた由紀がいた。今度もヒットを打ってくれそうな気がする。新しい武器があると考えても…まだまだチャンスがあるはず!
茜「(このバッターにはただのフォークボールだけじゃ通じない。だったら…実践では始めてだけど…やるしかない!)」
茜が振りかぶって腕を思い切り振る。
茜「っし!」
シューーー
由紀「(フォー……ク!?)」
グッ! ブシィ バシン
ストライクワン!
由紀「(いま…横にも曲がった!?)」
海鳳「なっ!?」
新天「なんだいまのフォークボールは。」
私にもわかった。普通のフォークボールではないことがわかった。由紀も振りにいったけれど、体勢が少し崩されていた。左打者から見て外に逃げていくフォーク、そんなことが出来るのだろうか。
由紀「(すごいフォークね、それでも…!)」
シューーー
由紀「(ここで曲がる!)」
グッ! ブシン! バシン
ストライクツー!
由紀「(今度は逆!?)」
まさか、今度は内に食い込んでくるフォークボール、まさか三種類のフォークを持っているのだろうか。だとしたら…とても厄介なことになりそうな気がする。
茜「(由紀には決め球で勝負しないとヒットを打たれる。)」
シューーー グッ
由紀「(ここから振っても…間に合う!?)」
ブシィ バシン!!
ストライクバッターアウト!!




