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第五話 第二十二部 実は知っている。
由紀「四回になっても球は乱れなかったね! ナイスピッチング!」
亜弓「ありがとう!」
海鳳「さすがだな!」
伊沢「ありゃ打てねえわ。友亀もナイスリード。」
友亀「センキュ。」
チームのムードは良好だ。この回も点をとって守りやすくしたい。私は投球に集中しよう。
由紀「それと亜弓。」
由紀が声をかけてきた。私はスポーツドリンクを口に含んでいたのでうなずいて返事をした。
由紀「汗がすごいから着替えてきたら? 裏の更衣室使って大丈夫だって。」
亜弓「助かるよ。ありがとう。」
私は言われるがままに更衣室に移動していった。
館川「友亀、気づいたか?」
友亀「ああ。少しずつだけどグローブの構えた場所からずれてきている。」
館川「俺もそろそろ準備するか。」
友亀「それもそうだけど、次の回に外野に回ってもらうことになった。」
館川「了解した。それじゃあ誰かとキャッチボールしてくるよ。」
友亀「わかった。あ、それと館川。」
館川「なんだ?」
友亀「このことはアイツには言うなよ。」
館川「分かってるって。」
友亀「あともうひとつ。リラックスしていこうぜ。」
館川「あぁ、任せろ。」