第二十話 第三十一部 試合後のアイシング
涼介「(めんどくせぇ女性選手だな。ランナーでいるなら点とらせなきゃいいだけか。)」
シュゴオオオ バシン!
ストライクバッターアウト!
沖田「ちっ。くそっ。」
三振に抑えて羽計がマウンドから降りていく。堂々とした表情は何か不思議な感じがした。嬉しくないような、怒りがあるような。
由紀「亜弓。アイシングと着替え、してきたら?」
亜弓「そうだね。いってくるよ。」
私は立ち上がる。そしてグラブを持った館川を見て声をかける。
亜弓「頑張ってください。」
館川「おう、まかせろ。」
言葉を聴き、ベンチ裏へと移動していく。そして更衣室を見つけると私はドアを開けた。
涼香「亜弓、お疲れ。」
亜弓「涼香さん!? どうしてここに。」
涼香「そりゃ試合を見ていたからね。アイシングとかの用意はしておいたわよ。ちょっとマッサージも必要だと思うからそこに座って?」
亜弓「あ、はい。とりあえず着替えだけしますね。」
私は上着を脱いで着替えのアンダーアーマーを着る。そしてベンチに座ると涼香さんが後ろに移動した。肩を確認するかのように触っていると、マッサージを始めた。
涼香「女性選手で投手をやっているから疲れが来ているわね。今日はクールダウンのキャッチボール以外ではノースローね。」
亜弓「そんなにですか?」
涼香「ええ。」
私の肩、たしかにこれだけ投げていれば疲れも出てくるに違いない。自分でも念入りにストレッチとかはしているけどそんなに疲れていただなんて。そしてある程度のマッサージをするとアイシング道具を用意して肩に巻いてくれた。
涼香「あれだけの投球をしていて疲れないわけないわよ。むしろ体つき的に亜弓は怪我しにくそうだし。」
亜弓「そうですか?」
涼香「ええ、柔軟な筋肉になっているからね。基礎トレーニングやストレッチを欠かさずやってきたからかもね。」
亜弓「そうなのですね…。確かに毎日家帰ってもやってました。」
涼香「はい、おしまい。これで戻っても大丈夫よ。」
亜弓「ありがとうございます。」
私は涼香さんにお礼を言った。そして荷物をまとめると、共に更衣室を出た。わたしはベンチへと戻っていく。
涼香「(やはり女性選手を見ていても筋肉疲労がどういう状況か気になるわね。後で声かけてみるかしら。)」
今回はえるさんに描いていただきました!ありがとうございます!
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