第二十話 第三十部 女性選手は
涼介「ふぅ…。」
あの投球、普通の投球ではない。今まで見たことの無いタイプの投手、暁美や六実とは違う、天賦の才能。そして怪物となりうるあの迫力。
シュゴオオオ バシン!
ストライクバッターアウト!
瑞華「ナイスピッチング! ワンアウト!!」
友亀「(手がでねぇ。)」
あの球をどうやって打てばよいのかが分からなくなってきた。これだけの投球が出来る人はそうそういない。由紀も厳しい戦いになりそうになりそうだ。
バシーン! ストライクバッターアウト!
私の変わりの代打も三振になってしまった。簡単にツーアウトをとられている。そして次は…由紀がやってくる。
由紀「お願いします。」
瑞華「(このバッターだけは別格、抑えていくには慎重に行かなければ。)」
由紀はマウンド上のピッチャーを見る。相手投手の羽計はいたって落ち着いている。雪は打てるのだろうか…。
涼介「(このバッターが高打率? 貧弱そうに見えるし…女性だからな。ちっ。)」
羽計は由紀をにらみつけていた。由紀はそれをまったく気にせず、ただ集中していた。集中している…この調子なら…!
シュゴオオオオ
由紀「(自分の力なら押される。けどセンター返しを意識すれば自然と流し打ちに!)」
ギィイイイン!!
涼介「!?」
瑞華「ライト!!」
打球はライトへと力強く飛んでいった。あの場面でしっかりと打つことが出来るなんて…。さすが由紀というべきか…。でも相手投手はとても嫌そうな顔をしている。何があったのだろうか。




