第二十話 第二十九部 羽計、登場。
ブシィ バシン! ストライクバッターアウト!
池之宮「ちっ。」
池之宮は二打席連続三振、こういうタイプの投手にまったくタイミングが合っていなかった。そして私はすぐにマウンドへと向かっていく。次の回も…ちゃんと守っていかないと。
海鳳「さあ、しっかり守っていこうぜ!」
池之宮「また三振しちまった。」
海鳳「そりゃあんだけ振り回してればそうなるさ。」
この回の先頭バッターは吉岡、変化球を投げていればきっと空振りをしてくれるだろう。サインはチェンジアップ、あのミットにめがけて投げれば…!
シュッ ググググッ
吉岡「ふんっ!」
ギィイイイイイイイン!!!
亜弓「えっ!?」
由紀「なにこれ…飛ばしすぎでしょ…。」
海鳳「でもファールだけどな。」
ガサッ ファールボール!!
由紀「あんなところまで飛ばすの…。」
まさかあそこまで飛ばしてくるとは…変化球は苦手ではないのだろうか。だとしてもストレートなら打たれるかもしれないという脳裏がよぎる。でも…ここで投げなければ。
シュゴオオオ バシン! ボールワン!
吉岡「(うわやっべ、なんだあのストレート。)」
大丈夫、私は大丈夫なはず。ストレートをしっかりと投げれば…抑えられる!
シュゴオオオ ブシィ バシン! ストライクツー!
シュゴオオオ ブン! バシン! ストライクバッターアウト!
亜弓「っし!!」
吉岡「(うっわあたらねえ。)」
ストレートで三振に抑える。これなら…いける!
バシーン! ストライクバッターアウト!
亜弓「っし!」
ギィイン バシン! アウト!!
酒井「よし。」
私は五回を終えてマウンドを降りた。この回で私は投げるのをやめる。後は次の回からは館川が投げることになる。そして六回、この回から投手が変わる。あの人がマウンドに上がるはずだ。
審判「ピッチャー酒井に代わって羽計。」
由紀「来たね。」
マウンドには一年生エース、羽計がマウンドに上がっていた。いったいどんなピッチングを見せてくれるのだろうか。世代最高の投手と名高いその投球が…今見れる。
シュゴオオオオ バシン!
ストライクワン!
友亀「(や、やばいな。これで高校一年生かよ。)」




