第二十話 第十九部 苦手なタイプ
池之宮「しゃっす!」
バッターボックスには池之宮が入っている。ここで一発が出ればいきなり二点も入る。ヒットだとしても一点が入る場面、池之宮ならきっとやってくれるはず。
新天「ちょっとこの場面ばヤバイよね…。」
亜弓「そうなの?」
ググググッ ブシン! バスン
ストライクワン!
酒井「(やっぱりな!)」
海鳳「くそっ、ライナーだったか…。すまん、この回は点取れそうにないよ。」
新天「池之宮は変化球に弱いのは知っているだろ? ああいうタイプは苦手なんだ。球速が遅くて、さらに遅い変化球をもっている。それがどうやら武器らしいし、池之宮はヒット今日は無いかもしれないな。」
ブシィン! バスン
ストライクバッターアウト!
酒井「っしゃ。」
瑞華「ナイスボール!」
あっという間に三球三振に終わってしまった。なんというか…池之宮の弱点が思い切りさらされてしまったような感じだった。
吉岡「ナイスピッチ!」
酒井「次はお前からだろ? しっかりたのむぞ。」
吉岡「っしゃ! 俺がホームラン打ってやりますぜ!」
羽計「(三振な気がする。)」
石出「(きっと三振だな。)」
羽計「(絶対に三振だな。)」
村瀬「ワンチャンあるんじゃね?」
阪戸「んなばかな。」
ブゥウン!! バシン
ストライクワン!
亜弓「(……えっ。)」
友亀「(こいつ池之宮と同じタイプなのか?)」
石倉「これはダメすぎるだろ。」
海鳳「(三振な気がする。)」
ブゥン! バシン
ブシィン!! バシン
ストライクバッターアウト!
亜弓「(スイングはものすごかったけど…。変化球で簡単に三振がとれた。)」
私はほっと一息入れることができた。なにはともあれ三振を一つ奪うことができた。これで流れに乗って後続を抑えていく!
池之宮「ワンアウト! 簡単にしとめたな!」
米倉「お前が誇らしい顔してるんじゃねえよ。」
池之宮「さあ、次だ。」
米倉「だからって急に冷静になるなよ!!」




