第二十話 第十二部 城洋大学付属高校の選手たち
亜弓「ねえねえ、次の試合って城洋大学付属高校でしょ? どんな選手がいるか再確認しておく?」
由紀「いいよ。私の家にDVDがあるからそれを見ようよ。」
由紀はいつも地区大会などいろいろな野球の大会を録画している。だからこそ多くの情報がたくさん入ってくる。研究にはもってこいといった感じだ。
由紀「これが地区大会準決勝と決勝の試合よ。」
私たちはDVDを入れて試合を見始めた。先攻の城洋大学付属高校の打線は一番から一年生が出ている。それよりも一番気になったのはレギュラーメンバー全員が一年生と二年生で固められている。一年生と二年生にそんなに良い選手が集まっているのだろうか。
ギィイン!
亜弓「あ、打った。」
由紀「城洋大付属の打線はどこも切れ目が無いわよ。瑞華だって八番にいるぐらいなのだから。」
瑞華が八番にいるって…そうなるとクリーンナップはどれだけすごい選手が集まっているのだろうか。
由紀「さて、三番の鳴崎ね。注意すべきはやっぱりこの三番四番かな。」
キィイイイン!
亜弓「あ、初球から思い切り叩いた。」
鋭い打球が左中間へと飛んでいく。しっかりとミートして打っている。そしてバッターボックスに大きな身長のバッターが入る。
亜弓「えっと…なんて読むのだろう。」
由紀「たぶんね…宋じゃないかな。留学生かな? とにかくこのバッターは世代でもかなりの実力をもった人だとおもうよ。」
キィィイイン!!
亜弓「あ、いった。」
打球はあっという間にセンターへ飛んでいく。そしてホームランゾーンへと消えていく。なんというパワーの持ち主なのだろうか。こんな打線を私は抑えていかなければいけないのか。
由紀「そしてなによりも…。」
バシーン!!
亜弓「この人は知っている…。羽計でしょ?」
由紀「そう、城洋大付属の絶対的エース。世代トップクラスの投手であることは間違いないわね。でも…付け入る隙はあるはずよ!」
私たちの前に大きな壁…この城洋大学付属高校を倒していかなければ…甲子園では。




