第五話 第十九部 私の打撃結果は…。
由紀のジャンプホームインが決まり、これで5対0になった。ドンドン突き放していった。
海鳳「ナイススライディング! 忍者みたいだったぜ。」
池之宮「タイミングだけ見たらアウトだぞ。無理して突っ込むのはアウトになりかねないから気をつけろ。」
由紀「えへへ、ごめんごめん。でも結果オーライでよかったよ。」
そういって由紀は苦笑いで帰って来た。きっとタイミングだけではアウトだということに悔しさがあるのだろう。それでもすぐに元気になっている。私とは大違いだ。こんな人間に私もなってみたい。
そしてツーアウトランナー無しで私に打順が回った。私も出来れば打ちたい。指示はあまり積極的には行くな。つまり打てる球なら打ってオッケーということ。なら今すぐにでも振りたい!
シューーーー
来たっ!
ガキン!
やや振り遅れた当たりはセカンドの右横へ。しかし当たりが弱く、簡単に捕られてしまった。ファーストに投げられてアウト。これでチェンジになった。
ベンチに帰ってくると、由紀が私のグローブを持って待っていた。
由紀「今のは打てる球だと思ったから振ったの?」
由紀が問いかけてきた。怒っているのかな? でも正直に答えないと。
亜弓「うん。でも振り遅れちゃった。」
由紀「打てる球って思って振ったなら大丈夫だよ。でも怪我には気をつけてね。」
といって由紀はレフトに走っていった。由紀は私のことを心配してくれていたのか。なんて優しいんだろう。そして優しいところは分かるけど、どうして私のことには特に優しくしてくれるのだろう。不思議でたまらない。本人に聞くのは難しいけれど知りたい。そんな考えを浮かべながらマウンドに向かっていった。




