第十八話 第四十部 優勝と準優勝
暁美「やった…やったぁあ!」
桜「暁美!!」
瀧澤「っしゃあああ!!!」
勝浦さんの打球を桜さんがジャンプキャッチでヒットを阻止した。試合が終わった。この瞬間で…優勝した高校が決まった。そして…三年生たちの最後の試合が…終わった。
武蔵「……ふぅ…。届かなかったか…。」
六実「…負けた。」
淳和「う……ううっ。」
桜さんや暁美さんは二人抱き合って喜びあっていた。それとは対照的に六実さんと淳和さんは泣いていた。それに勝浦さんも目に涙を浮かべて天を仰いでいた。夏の甲子園を優勝したのは、富良野学院高校に決まった。
武蔵「…さあ、集合だ!」
上野「おうっ!」
負けたといっても甲子園準優勝、皆の顔には涙があるものの誰もが満足した顔で整列した。最高の甲子園決勝が終わった。
審判「礼!」
皆「したぁ!」
挨拶をすると皆が握手をして笑い合っていた。私達は選手たちに向けて大きな拍手を送った。あの舞台は…特別なものだから。
桜「ありがとうございました。いつかまた、プロの世界で。」
武蔵「ああ、戦えることを。」
暁美「ナイスピッチング。」
六実「ありがとう…。次は負けないわよ。来年もこの舞台で勝負よ。」
淳和「打ってみせるから!」
暁美「私だって打たせないわよ!」
挨拶が終わり、校歌が流れる。これで三年生全員が引退した。次の…世代が甲子園を目指す時がやってくる。
由紀「亜弓、次は私達があの舞台で優勝するわよ。」
亜弓「そうですね…。私達が!」
私は強く右手を握った。これから…やるべきことは甲子園に向けての練習、そして甲子園に出るために地区大会を勝ち抜くこと…!
「帰国するのですね。お疲れ様です。アメリカで出来るリハビリはここまでです。正直ここまで回復するなんて思っていませんでした。」
「いえいえ。」
「日本に戻って…その英姿を甲子園に見せ付けてください。新山 篤史さん。」
「はい、まかせてください。」




