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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十八話 暑い夏の甲子園の行方
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第十八話 第三十九部 決着

 バシーン! ストライクバッターアウト!

 暁美さんが点を取られた瞬間、バッターが次々と三振になっていった。あのストレートは何なんだろうか。ただのストレートではないことは間違いないけど、あそこまで曲がるストレートなんて見たことがない。

由紀「ムービングファストまで持っているなんて。」

亜弓「ムービングファストボール?」

桃音「そうッス。まさに動くストレート、これを高校生で投げられる人がいるなんて。いや、暁美だからこそ出来る球種ッス。」

由紀「普通は癖球だから意識して投げるのは相当難しいことなのだけど…、暁美さんはストレートを使い分けているのね。普通この球は空振りとかではなくて、ゴロを打たせるために使うのだけど…あの変化量と高校生の技術では厳しいものがありそう…。」

 暁美さんの実力は…もう誰もが認めるものではあるけど、それ以上にすごいものをすでに持っていたなんて。御影大松戸はこの投手を試合中に打ち崩すことが出来るのだろうか。頑張って、六実さん。淳和さん。勝浦さん。

六実「…大丈夫! この先私が絶対に打たせないから!」

淳和「そうね、まだチャンスはあるはず!」

武蔵「さあ、試合はまだまだ終わってないんだ! 声出していくぞ!」

対馬「(俺も最高のリードをしなければ!)」


 バシーン! ストライクバッターアウト!

暁美「っし。」

 ギィン!

六実「ライト!」

淳和「おーらい!!」

 バシン! アウトー!!

 暁美さんも六実さんも最高の投球をつづけていた。特に六実さんはあの桜さんたちからアウトをとっている。でも…このままの流れで進んでいったら…。暁美さんたちが勝つ。もう最終回までやってきている。すでに御影大松戸の攻撃でワンアウトツーストライク、次のバッターは勝浦さん。その前に淳和さんが塁に出れば!

 シュゴオオオオ ブシィ バシーン!

 ストライクバッターアウト!!

淳和「……くそっ。」

瀧澤「おっけ! ツーアウト! あと一人だよ!」

桜「あと一人! 集中していこう!」

暁美「ふぅ…。ツーアウト!」

 御影大松戸はもう後がなくなってしまった。ツーアウト、バッターボックスには勝浦さんが向かっている。でも勝浦さんがホームランを打つことができれば試合は振り出しに戻すことができる。それに…最終回、暁美さんだって体力を使ってきたはず。

暁美「ふぅ…。気合いれていこう。」

武蔵「(最後の打席でこの最高の投手か。でも試合は終わらせない。俺が打って次につなげてみせる!)」

六実「勝浦さん! 頼みます!」

上野「キャプテン! 頼むぞ!」

 シュゴオオオオ ブシィ バシン!

 ストライクワン!

 初球ストレート、思い切り振って空振りになった。球場全体から応援が鳴り止まない。どちらのチームも必死に応援している。私も自然と手を握っていた。

 シュゴオオオ ギィン! ガシャン!

 ファールボール!!

 ツーストライク、あと一球で終わる所までやってきた。でも…ここで終わるようなバッターではないはず。

勝浦「(さあ来い! 打ってみせる!)」

桜「(最後の一球。これが私の高校野球最後の試合、五連覇で終えることが…! でもまだ終わっていない。最後まで…楽しむ!)」

暁美「(これは…桜さんと共に野球ができる最後の試合…。そして…直幸さんがきっと私のピッチングを見てくれているはず。チームメイトのため、直幸さんのため。そして桜さんのために! 私は…!)」

 シュッ

暁美「っらあ!!」

 シュゴオオオオオ

武蔵「おおお!!」

 ギィイイイン!

六実「抜ける!」

淳和「よし、ヒット! 繋いだ!」

瀧澤「センター!!」

 暁美さんの頭上を越えてセンターへと飛んでいく。まだ…試合は終わらない!

桜「らぁあ!」


 バシーーン!


暁美「桜さん!!」


 アウトー!!

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