第十八話 第三十六部 誰にも止めることは
桜「っと!」
桜さんは一塁ベースを蹴って二塁へと向かっていく。なんという足の速さなのだろうか。ベースを回っていく際も最短距離を使って向かっていった。だけど…ライトは淳和さんがいるはず!
淳和「っらああ!!」
シュゴオオオ!!
桜「っと!」
ズザザザザザ バシーン!
桜さんは思い切りよく二塁ベースへと滑っていった。さすがの送球に桜さんもあせったのだと思う。なんというか…淳和さんはやっぱりすごい。あんな送球が出来る人がそういるだろうか…。
淳和「大丈夫よ! 六実、気合入れて投げよう!」
武蔵「よっしゃ、もっと声出していくぞ!」
六実「はい、大丈夫です!」
六実さんたちは落ち着いている。これなら…きっとこの後の投球にも全く影響は出ないはず。桜さんに打たれても点を取られなければ試合の流れは大丈夫!
ギィイイイイン!
六実「えっ…。」
桜「ナイバッチ、暁美。」
ドンッ!
暁美「っしゃ!!」
あっという間のことだった。初球、外角低めの厳しい球をセンターに返していった。それもものすごい勢いで…ホームランゾーンへと入っていった。暁美さんはどうしてすぐに打てたのだろうか。
暁美「打ちましたよっ!」
パチン!
桜「よかったわよ。この後の投球も頼むわよ。」
暁美「はいっ!」
バシーン! ストライクバッターアウト!
六実さんはその後のバッターを無難に抑えていった。でも…これで二点が入ってしまった。あの暁美さんからどうやって二点を取っていけば良いのだろうか。
バシーン! ストライクバッターアウト!
暁美「っし!!」
瀧澤「ナイスピッチング!」
暁美さんは止まらない。連続三振が続いていく。もう…六実さんたちでは止めることが出来ないのだろうか。




